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新型コロナ終息後、「リベンジ的消費」がやって来るだろうか?―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月17日(火) 6時20分

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数人の友人で集まって、ミルクティーを飲んだり、火鍋を囲んだりする。1カ月ほど前にはごく当たり前の、望めばすぐにできたことが、今は多くの人にとって求めても得られない夢のようになっている。

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数人の友人で集まって、ミルクティーを飲んだり、火鍋を囲んだりする。1カ月ほど前にはごく当たり前の、望めばすぐにできたことが、今は多くの人にとって求めても得られない夢のようになっている。多くの「引きこもる人々」は我慢が限界に近づき、「リベンジ的消費をするんだ」と公言している。「リベンジ的消費」は本当にやって来るのだろうか。

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■1人で1回にミルクティー77杯を注文、1回で焼肉「全メニュー」を注文

全国各地で企業活動と生産活動が相次ぎ再開され、新型コロナウイルスによる肺炎への対策状況が持続的に好転するのにともない、人々の心の中で長く押さえつけられてきた消費意欲も徐々に再燃し始めている。

メディアの報道によると、山東省●(さんずいに維)坊市の焼き肉店が営業を再開すると、「全部持ってきて」という注文の電話がかかってきた。この店のすべてのメニューを注文するということだ。店長は最初はいたずらだと思ったが、確認すると本当だったので、3人の従業員でせっせと準備して3時間でこの大口注文の商品をそろえ、社長自ら車を運転して顧客の家に届けた。注文した袁さんは、「値段は1200元(約1万8000円)だった。8人で食べたが一回で全部食べられなかった」と話した。

海底撈火鍋のレストラン85店も12日に営業を再開した。営業再開したレストランは満席になったところが多いという。

カウンセラーの彭▼(ポン・イー、▼は火へんに習)さんの説明によると、袁さんのような行動は典型的なリベンジ的消費であり、心理的な欠落を埋めることが主な目的だ。これまでずっと我慢して、さまざまなニーズが抑圧されていたので、業務が再開されて普段の生活に戻ると購買意欲が爆発的に開放され、過剰に修復しようとする行動がみられるのだという。

■オフラインで「リベンジ」すれば、オンラインでも「リベンジ」する。

3月8日の国際女性デーにちなんだ「38女王デー」は、感染症の時期に初めて行われた大規模なオンラインショッピングイベントだ。阿里巴巴(アリババ)のデータでは、このほど終了した天猫(Tmall)の38女王デーは、全体の売上高が前年を上回り、2万を超えるブランドは売上高が前年同期比100%以上増加した。イベント期間全体を通じて、淘宝(タオバオ)のライブ配信によって生まれた売上高は同264%大きく増加し、最も多かった日の取引量は同650%も増加したという。

オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」では、2月10日に業務が再開され、最初の1週間に上海市民はElemaでミルクティーを16万オーダー分注文し、4週目には33万オーダー分に増え、中には1人で1回に77杯を注文した顧客もいたという。

商務部市場運営司の王斌(ワン・ビン)副司長は今月5日、「最近、全国の消費市場の運営に積極的な変化がみられるようになり、市場での売り上げは底を打って回復上昇している。2月下旬には、商務部の重点モニタリング対象の小売企業1000社の1日あたり平均売上高が2月中旬より5.6%増加し、1月下旬から続いた前期比マイナス成長が転換して、プラス成長に戻った。中でも自動車は反転上昇傾向が目立ち、前期比増加率は14.8%に達した。通信機器も11.7%、家電も11.1%、それぞれ増加した」と述べた。

■リベンジ的消費はやって来るだろうか?

江蘇省で行われた消費に関する調査によると、回答者の90%近くが、「感染症が終息したら、埋め合わせ的消費やリベンジ的消費をするつもり」と答えた。業界関係者は、「新たな世代が消費層の中心になる業界や細分化された品目がリベンジ的消費を迎える可能性が高いが、企業が誘導やマーケティングをしかけなければならない」との見方を示した。

業界関係者の分析では、「現在の消費市場には回復の兆しがみられるが、感染終息後にリベンジ的消費がやって来ると最終的に言えるかどうかは、まだしばらく様子を見る必要がある」という。

中国食品産業アナリストの朱丹蓬(ジュウ・ダンフォン)氏は、「今回の感染症は中国の消費者の消費に対する考え方や消費行動などにこれからも続く大きな影響を与えることになる。感染症が終息すると、総合健康と関連の深い一部の業界は、消費者により歓迎され人気が出るとみられ、中国の総合健康産業に新たな活力を注入することにもなる」と述べた。

朱氏は、リベンジ的消費がやって来るかどうか、最も可能性の高い業界は何かという質問に対し、「新たな世代が消費層の中心になる業界や細分化された品目がリベンジ的消費を迎える可能性が高い」と答えた。

朱氏は続けて、「たとえばコーヒーや新タイプのミルクティーなど各種飲料だ。感染症の期間に、若い消費層は我慢を強いられ、早く消費したいと考えていた。感染症の流行中に、こうした業界では実は再編が行われており、今後も生き残れるのは基本的に優良企業だけだ。このことは業界の発展をある程度後押しすることにもなる」と述べた。

復旦大学国際問題研究院の馬斌(マー・ビン)副研究員も、「これまで相当長い間、消費者の正常な消費ニーズが抑圧されてきた。感染症が終息すれば、リベンジ的消費行動が出現する可能性は高い」とした。

しかし銀河証券の周穎(ジョウ・イン)アナリストは、「感染症が続けば、かなりの部分の人々は収入への期待と実際の収入が目に見えて低下する可能性がある。感染症が終息すれば、リベンジ的消費が一部出現し、抑圧された消費が急速に開放されるかもしれないが、かなりの部分の人々は、全体的な消費能力がしばらく低迷を続ける可能性がある」と指摘した。

業界関係者は、「感染症が終息した後で、消費者は心理的な混乱期と適応期をたどるのが一般的で、出来事を消化するプロセスをたどる必要がある。この消化プロセスは1-2月間は続くと予想され、その間に企業は誘導やマーケティングなどをしかけて、消費者の消費意欲を改めて喚起するだろう。リベンジ的消費がやって来るとすれば、メーデー(5月1日)以降になるだろう」との見方を示した。

■リベンジ的消費VSリベンジ的貯蓄

リベンジ的消費だけでなく、リベンジ的貯蓄をしようとする人もかなりいる。一方で、感染症の流行中に非常事態に対応した「クラウド経済」や「おうち経済」が爆発的に発展して人々の娯楽や教育などさまざまな消費ニーズに応え、キッチン家電、ヨガマット、参考書などが人気ランキングの上位に並び続けたが、これは人々のリベンジ的消費ニーズではない。また一方で、収入に見合った支出をする、転ばぬ先の杖、財務の健全性といった理念も徐々に多くの人々の心に根を張り育ち始めている。

実際、リベンジ的消費にしてもリベンジ的貯蓄にしても、普通の人々が感染症終息後の生活に寄せる期待であり、「気ままな気持ち」の現れでもあれば「反省の気持ち」の現れでもあり、どちらを選ぶかは人それぞれだ。

企業からみれば、リベンジ的消費とリベンジ的貯蓄のどちらが多くどちらが少ないかを考えるのは、それほど重要なことではないかもしれない。実際、感染症終息後のリベンジ的消費を待っているより、多くの企業にとって必要なのはどうやってこれを機にモデル転換を果たすかを考えることだ。かつての重症急性呼吸器症候群(SARS)は膨大なオンライン消費ニーズを生み出し、淘宝(タオバオ)や京東などの小売ECに業務開拓のチャンスを与えた。このたびの感染症では、オフライン消費が冷え込んだと同時に、オンライン生鮮食品やオンライン教育などの業界が発展チャンスの時期を迎えた。「非接触型」レストランが勢いに乗じて登場し、一部の大手スーパーやショッピングセンターもオンライン販売を試行したり加速的に推進したりした。ここからわかることは、感染症の後のリベンジ的消費は困っているところの支援となるかもしれないが、感染症によってモデル転換と高度化を加速させるできるかどうかが、企業のより長期的な存在と発展に関わっているだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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