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高音質ウォークマンはソニーの救世主になれない―中国メディア

Record China    2013年11月13日(水) 7時20分

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11日、長期にわたり低迷する日本の電子機器産業に転機が訪れている。このほど発表された各社の前年度決算報告によると、パナソニックは業務戦略の転換を実施して、赤字から脱却し、黒字を達成した。写真は上海のソニー広告。

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2013年11月11日、長期にわたり低迷する日本の電子機器産業に転機が訪れている。このほど発表された各社の前年度決算報告によると、パナソニックは業務戦略の転換を実施して、赤字から脱却し、黒字を達成した。だが既存の事業をかたくなに守り続けてきたソニーは、いまだに低迷状態から脱せずにいる。中国青年網が伝えた。

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ここ数年来、毎年巨額の損失を出してきたパナソニックは、思い切った選択をしただけでなく、巨額の投資を行ってきたプラズマテレビ事業を放棄した。これは中国企業などの新興国企業が激しい競争を繰り広げる消費電子製品の分野から撤退し、業務の重点を建築用電子製品や自動車用電子製品に移したことを意味する。実際、パナソニックは初戦に勝利している。一方、ソニーは消費電子製品の分野の陣地を固守し、「ワンソニー」のかけ声の下、優れた技術力を集結して、技術力を体現した一連の消費電子製品を高らかにうち出した。だが残念なことに、この戦略は奏功していない。

業績は思わしくないものの、ソニーには路線変更の考えはない。このほど発表された高音質ハイレゾリューションウォークマンは、ソニーが引き続き技術力強調路線を歩むことを示すものだ。ソニーは新ウォークマンが米アップル社の「iPod」(アイポッド)をうち負かして、携帯音楽プレイヤーの王座を奪回し、この逆転劇がソニー復活のシンボルとなることを期待する。だが彼らは忘れている。ウォークマンの誕生は製品概念のイノベーションの輝かしい成果だということを。技術について言えば、誕生の頃のウォークマンの技術は完全なものではなかったが、音楽鑑賞を屋内の決まった場所から自由に移動できる環境の中に送り出したというイノベーションによって、ソニーは一気に新しい分野を確立し、長期にわたりトップの座を維持した。かつての王者が優れた後進のiPodに王者の座を奪われた理由は、同じく業務モデルのイノベーションにある。アップルはデジタル技術時代の流れをしっかりとらえ、デジタルメモリーとインターネットとが連動する新たなビジネスモデルを生み出し、利用者により便利な音楽空間を与えた。これによりディスク式のウォークマンは歴史の舞台から姿を消した。このような精彩に富んだ歴史からわかることは、製品の概念や業務モデルのイノベーションが企業の発展プロセスで果たした役割の巨大さで、高音質ウォークマンにはこうしたイノベーションの要素が明らかに欠けているということだ。

高音質ウォークマンの設備で聞く音楽と流行するMP3で聞く音楽とで音質を比べると、優劣ははっきりしており、ソニーの技術には疑問の余地がない。だがこれで利用者をより多く引きつけられるわけではない。いわゆる高音質オーディオとは、サンプリング周波数が96kHz以上、ビット率が24bit以上の音響ソースを指す。この規格はソニーやフィリップス社が制定したCDの音声規格をはるかに上回るが、デジタル時代に最初に流行した音声規格はMP3だ。MP3の規格はサンプリング周波数もビット率もCDを下回るが、ほとんどの利用者のニーズは満たしている。よって音質の優劣は高音質ウォークマンの成功の主要因にはならないとみられる。実際のところ、ソニーのウォークマンは音質でこれまでずっとiPodを上回っていたが、このような技術的優位があってもソニーはiPodから利用者を奪い返すことができなかった。

昨年就任したソニーの平井一夫社長は文系出身者だ。前任者の方針を改め、ソニーがもつ研究開発力や生産技術を再び重視する方針に転じた。ワンソニーのかけ声で技術を集約して新たな製品を研究開発した。ソニーのこうした戦略は多くの日本企業の経営思想を代表するものだ。間違いなく日本企業はいまなお世界トップレベルの技術をもっており、これは日本企業の貴重な財産だ。だがこうした要素をあれこれと強調すれば、かえってこれに縛られることになる。利用者の潜在的な需要を探り当てられなければ、生産技術がどんなに優れていても、市場で成功を収めることはできない。よって、高音質ハイレゾウォークマンがiPodに逆転する可能性はないと断言できる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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