2020年4月22日、米華字メディア・多維新聞は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、中国と欧州の間に破壊的な亀裂が入った可能性があると報じた。

記事は、中国と欧州がそれぞれ新型コロナウイルス感染の大きな被災地となったと紹介。その中でドイツの国会議員から「中国のやり方は中国と欧州の関係を疎遠にする恐れがある」との声が出ているほか、欧州の外交官の間でも「中国の医療設備サプライヤーが価格を釣り上げているのに、中国政府は見て見ぬふり」など、新型ウイルス流行期における中国政府の行動に対する怒りがますます高まっているとした。

また、中国からの報復を恐れ、トランプ米大統領のようにあからさまに中国を攻撃しないものの、ドイツ、フランス、英国、ベルギーなどの政府関係者がそろって中国に対する憂慮を口にしていると説明。この状況は「さまざまな次元から不満が噴出していること、その影響が広範囲に及び得ることを暗示するものだ」と伝えている。

記事は、「新型ウイルスの大流行は本来世界が団結するチャンスだったものの、そのチャンスは長くは続かなかった」とし、3月25日に行われたG7外相会議では、大きな危機を乗り越えた中国が「より自信に満ちた、より力の強い行動」を取り、他国が依然ロックダウン状態にある中で自らの影響力を高めにかかってくる可能性に対する憂慮の声が上がったと紹介した。

また、中国に駐在している欧州の外交官らが「中国は援助を提供すると同時に、公衆に対して感謝と称賛を強いている。これが、本来得られるべき善意を削いでしまっている」と語ったことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）