Record China 2020年3月24日(火) 17時10分
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世界各国で新型コロナウイルスが流行する中、中国遼寧省瀋陽市の飲食店が米国や日本をやゆする横断幕を掲げたことについて、中国のジャーナリストの于平氏が批判した。
世界各国で新型コロナウイルスが流行する中、中国遼寧省瀋陽市の飲食店が米国や日本をやゆする横断幕を掲げたことについて、中国のジャーナリストの于平(ユー・ピン)氏が批判した。23日付で新京報が伝えた。
報道によると、瀋陽市のおかゆ店が22日、アーチ形のバルーンに「熱烈祝賀美国疫情、祝小日本疫帆風順長長久久(米国のウイルス流行を熱烈に祝い、小日本での感染流行が長く続くことを祈る)」と書かれた横断幕を掲げた。「疫帆風順」は、「順風満帆」という意味の成語「一帆風順」と掛けた言葉だ(「疫」と「一」の発音が類似)。
翌23日には横断幕は撤去されたというが、現地警察が捜査に乗り出し、中国のネット上では同店への批判が殺到する事態となった。
これを受け、于氏はまず「この店がどんな考えからこうした目を引く文字を書いて横断幕にし、公然と店の前に掲げたのかは分からない。いずれにせよ、これは文明のボトムラインを突き破るものであり、人類共通の感情に背くものだ」と批判した。
その上で、「ウイルスの流行とは災難であり、人種や住む地域・国にかかわらず人類共通の敵である。当然ながら共に立ち向かうべきであり、それを喜んだりすべきではない。新型コロナウイルスは中国人にも深い傷をもたらした災難である。ウイルスを祝福することは、災難自体を美化することでもある」と指摘した。
また、「グローバル化の時代、世界は一つだ。海外の感染状況が日増しに深刻になることは、他国の人の生命を脅かすだけでなく、われわれ自身にも危害が及ぶ可能性がある」「経済における影響はより顕著だ。こうした国々がウイルスをコントロールし、より多くの犠牲を出すことなく、世界経済の失速を避けることを期待すべきだ」などと主張した。
さらに、「もっと言えば、われわれがウイルスと闘う最も苦しい時に他国は支援の手を差し伸べてくれた。日本を例にすると、官から民まで中国にたくさんの支援物資を贈ってくれた」とし、「『山川異域,風月同天(住む場所は異なれど、風月の営みは同じ空の下でつながっている。日本からの支援物資に書かれた漢詩)』という8文字は、当時どれだけの中国人の心を温めたことか。他国の助けに対して恩を返さないばかりか、『自分が川を渡った後に橋を壊す(恩をあだで返す)』ようなことをして、自分の良心に申し訳が立つだろうか」と訴えかけた。
于氏は、今回の騒動について「個別の例に過ぎない」とする一方、「災難が起こるたびにネット上ではこれに類似した、他国の状況をあざ笑う声がよく見られる」とも指摘。例として、2011年3月11日の東日本大震災の時にもそうした声が出現したことを挙げた上で、「これらは社会が発すべき健全な声ではないことは明らかである」と断じた。
そして、今回の件でもおかゆ店に批判が殺到していることを「幸い」と歓迎し、「災難は災難。誰の身に起きたのであれ、祝福する理由はない。われわれが運命共同体であることを忘れてはいけない」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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