Record China 2020年4月22日(水) 7時40分
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20日、人民中国は「日本政府が日本企業の中国撤退を支援する」という話の背景には、日本政府による中国に対する見誤りがあったとする、日本企業(中国)研究院執行院長・陳言氏の文章を掲載した。写真は上海。
2020年4月20日、人民中国は「日本政府が日本企業の中国撤退に資金援助する」という話が出てきた背景には、日本政府による中国の「戦疫」に対する見誤りがあったとする、日本企業(中国)研究院執行院長・陳言(チェン・イエン)氏による文章を掲載した。以下はその概要。
4月10日に「日本政府が巨額の資金を拠出して日本企業の中国撤退を支援する」という文章がネット上に流れ、大きな波風を立たせた。実はこの話は、1カ月前に日本政府が中国の新型コロナウイルス感染抑止への取り組みの結果を見誤ったことに起因するのだ。
3月5日、日本の首相官邸ですべての閣僚が参加する日本経済再生本部の未来投資会議が開かれた。ウェブ上で公開されている会議資料を見ると、会議では「経済における中国への過度の依存は日本経済の発展にとってマイナスであり、ある程度のリスク分散が望まれる」と提起されている。その後、関係当局がサプライチェーンの過剰な中国集中を分散するために2000億円の財政補助を出す政策を打ち出したのだ。
日本政府が自国の経済利益のために、サプライチェーンにおけるある国への過剰な依存を低減するというのは決して非難されることではない。しかし問題は、なぜ3月5日に突然このような見解を示したのかということだ。それは、当時ウイルス感染拡大で苦しんでいた武漢について日本政府が状況は好転しないと考えていたこと、さらには日本で感染者数が少なかったことから「対岸の火事」にすぎないと認識している部分があったことに起因している。
新型ウイルスは既存のサプライチェーンをズタズタにした。人手不足、物流の寸断による生産の停滞を生み、販売も困難な状況になった。局地的な自然災害による一時的な障害には対処できた現在のサプライチェーンも、世界的な伝染病の前にはなすすべがなく、サプライチェーンへの考え方を全面的に見直す必要性に迫られている。
そうはいっても、日本企業が30年余りかけて中国で構築してきた数百兆円の価値を持つ生産販売体制を、2000億円かけて無理やり動かそうというのは勧められたものではない。現在中国に拠点を置く日本企業は、中国市場の発展に伴いすでに中国での「地産地消型」のビジネスモデルを構築している。そんな中で中国から撤退して日本に拠点を戻せば、中国市場を手放すことで自らの存在意義さえも失うことになる。また、日中間の中間財貿易では、すでに日本から輸出が中国からの輸出を上回っている。この状況で中国から生産拠点を移せば、対中貿易額も全面的に減少するだろう。
自動車市場は特殊で、日本メーカーの部品生産拠点が武漢に集中していたことで大きなダメージを受けた。今後中国の自動車部品産業に大きな変動が生じ、日本も中国市場からの部品購入を減らす動きがあるだろう。しかし、「日本企業が中国から撤退する」という話は、単なるあおり立てに過ぎないと認識している。(翻訳・編集/川尻)
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