日中交流の将棋大会、存続の危機!国の仲が悪くても「子供は簡単に国境を越える」―北京市

Record China    2013年11月25日(月) 15時28分

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23日、中国・北京市にある北京日本人学校の体育館で、北京日本人会が主催する「第17回日中国際交流子供将棋大会」が行われた。

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2013年11月23日、中国・北京市にある北京日本人学校の体育館で、北京日本人会が主催する「第17回日中国際交流子供将棋大会」が行われた。同大会には日中両国から72人の児童が参加し、年齢別に9組に分かれ、親やスタッフが見守るなか、真剣勝負を繰り広げた。

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今年7歳の●楚峰(シン・チュウフォン、●=刑の「リ」をおおざとに)君は1年前に将棋を始め、初めて大会に参加。入賞はかなわなかったが、「来年もう1度チャレンジしたい」と意気込みを語った。

楚峰君の付き添いで来た父親は金融機関に勤めており、楚峰君のそばでビデオカメラを回しながら真剣に見守っていた。父親に楚峰君が将棋を始めたきっかけを聞くと、「ほかのクラブは定員が一杯だったため、あまり人気のない将棋クラブに入部した」と話した。将棋を理解するためにネットでルールを調べ、親子一緒に将棋をゼロから勉強したという。楚峰君はいつも母親にべったりだったが、「将棋を通して息子と交流する機会が増えた」と楚峰君の父親は嬉しそうに話していた。

同じく7歳の女の子、季佳一(ジー・ジアイー)ちゃんも初めて大会に参加。初めて日本人選手と対戦し、やや緊張気味だった。同行した母親は、会場に来られなかった父親のために、携帯電話で娘の晴れ姿を撮影していたが、日中関係が極度に緊張化していることもあり、佳一ちゃんの父親は娘の将棋活動に消極的だという。

第1回から日中国際交流子供将棋大会の中国側責任者として尽力してきた日本将棋連盟北京支部長の李民生(リー・ミンション)先生は今年69歳。60年代から体育の教員となり、その後、囲碁と象棋を生徒たちに教えていたが、偶然日本将棋と出会い、日本将棋のバリエーションの豊富さに惹かれ、チェスや中国象棋よりレベルが高く、囲碁と同等のレベルだと感じたという。特に日本将棋の礼に始まり礼に終わるという考え方に魅了され、積極的に中国の子供たちに教えるようになった。1996年に日本人会の企画に賛同し、日中国際交流子供将棋大会は毎年の恒例行事となった。

ところが、李先生によると、現在中国で日本将棋を教えることが非常に厳しくなっているという。日中関係が急速に悪化している中、日中双方の関係者の努力により今年も無事に大会を開催できたが、李先生が教えている子供たちは昨年の40〜50人から今年は10人にまで減り、さらにその中の4人が中学入試のため将棋をやめる予定。そのため、来年の大会で32人の児童を揃えるのは絶望的だと李先生は語っている。李先生をよく知る関係者によると、李先生は今まで疲れを見せず生徒たちを指導してきたが、17年間中国で一生懸命将棋を広げようと奮闘してきたことに加え、日中関係悪化による生徒数の減少という精神的なショックは大きく、ここ1年は疲れを見せることが多くなったという。

佳一ちゃんは試合の合間、同じ年頃の日本人の女の子とお土産を交換した。佳一ちゃんはお土産の風船に早速空気を入れ、日本人の女の子と一緒に遊んでいた。2人の間に試合の緊張感はなく、言葉は通じないがすぐに仲良くなっていた。

佳一ちゃんの母親は、「子供たちは簡単に国境を越える。彼女たちが大人になる頃には今の難しい問題もきっと簡単に解決できるようになるだろう」と語っている。(取材/RR)

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