2020年4月6日、韓国・聯合ニュースによると、同国の警察署で、検挙した容疑者から新型コロナウイルスの感染が疑われる症状が出たり、容疑者が感染者との接触をにおわす虚偽の発言をしたりして、警察庁舎が閉鎖するなどの事例が発生し、緊張が高まっている。

記事によると、同国南西部・光州（クァンジュ）の光州北部警察署では同日、車を盗んだ窃盗の疑いで現行犯逮捕した容疑者（18）に38度を超える発熱とせきの症状が見られた。同署は感染症予防指針に基づきこの容疑者を診療所に移送。同署の刑事課などを一時的に閉鎖し、容疑者と接触した刑事らを隔離措置としたという。

容疑者はその後正常の体温に戻り、肺の検査でも異常が見られず、医師は新型コロナウイルスの検査は必要ないと診断。同署は庁舎の閉鎖と署員の隔離措置を解除したという。

また、光州西部警察署は4日、詐欺の疑いで留置場に勾留した容疑者（32）に微熱の症状が見られたため検査を受けさせた。その際、容疑者が「感染者と接触した」と話したことから留置場を一時閉鎖、容疑者を逮捕した警察官を隔離する措置を取ったという。

しかし、容疑者と感染者との行動履歴が一致せず、容疑者を追及したところ、虚偽だと自白。閉鎖・隔離措置は翌日の午前に解除されたという。同署は容疑者を偽計による公務執行妨害と感染症予防法違反の疑いで立件する方針という。

これに、韓国のネットユーザーからは、「本当に危険だ。警察や消防を医療で守ってあげないと」「他の犯罪者もこのうそをまねしたらどうなってしまうのだろう？」などと、治安を守る場所で起きた出来事に、不安の声が上がっている。

また、「うそをついた容疑者には全ての費用を負担させて」「そんなうそをつけば罪が重くなることが分からないのか？」「新型コロナを持ち出して混乱させるとは！」「公務を妨害したのだから厳罰に処すべきだ」などと、虚偽の説明をした容疑者に対しては、批判の声が上がっている。（翻訳・編集/関）