米医療システム混乱 厳しい情勢下でも医療従事者を解雇?

CRI online    2020年4月12日(日) 11時35分

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米Altarum instituteによる医療従事者の失業データ 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米医療システムの難局がメディアの注目を集めています。感染例と死亡例の上昇に伴い、混乱する医療現場の現象が見えてきました。多くの人がPCR検査や診断と治療を待っている一方で、人手...

米Altarum instituteによる医療従事者の失業データ

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米医療システムの難局がメディアの注目を集めています。感染例と死亡例の上昇に伴い、混乱する医療現場の現象が見えてきました。多くの人がPCR検査や診断と治療を待っている一方で、人手が足りないと訴える病院側が医療従事者を大量に解雇しています。

 米国のニュース解説メディア「Vox(ヴォックス)」の報道では、米ミシガン州にあるAltarum instituteが4月4日に発表した調査報告を紹介しており、それによりますと、新型コロナウイルスが感染拡大してからの1ヵ月で、全米でおよそ4万3000人の医療従事者が解雇されたということです。また、歴史的に見て、経済不況時、米国の医療システムでは大規模なリストラが発生していないのに対し、今回感染症が続く中、米医療従事者の失業者数は過去30年の記録を更新しているということです。

 これについて、「ニューヨーク・タイムズ」などのメディアは、このような不思議な現象は病院側が財務危機に陥ったことに起因していると分析しています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、米国の数十の州では、非緊急手術の中止と延期が発令されました。そのため、病院側の収入が激減し、多くの病院は外科手術の停止により、50%以上の収益を失っているということです。運営コストを減らすため、病院側はやむを得ず一部の医療従事者に一時帰休させたり、減俸したり、休暇を取らせたりしています。また、資金面の難題が解決されなければ、数百ヵ所以上の病院が倒産を迫られるという恐れもあります。

 一方、医療システムの人手不足を緩和するため、米国では定年退職した医療関係者や医科大学の卒業生を召集して患者の治療に当たっています。米家庭医師学会の統計によりますと、4月末までに、米国で2万人以上の家庭医師が召集されると見込まれていますが、政府側から関連の手当てや補助政策は何も発表されていません。それどころか、臨時召集に参加する人はむしろ失業のリスクにさらされます。

 また、中小病院やクリニックの財務問題はいっそう深刻になっています。感染拡大以前から、米国で25%以上の市外病院が資金不足で倒産の危機に直面しているということです。

 2兆ドル刺激策の一環として、米議会は全米の病院に1000億ドルを拠出して医療システムの資金難を解決しようとしていますが、これは明らかに足りないと関係者が訴えています。感染例の増加により、米医療システムがより厳しい試練に晒されるだろうとみられています。(提供/CRI

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