Record China 2020年4月20日(月) 14時20分
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シンガポール外務省出身で元国連安全保障理事会議長のキショール・マブバニ氏は、新型コロナウイルスをめぐる賠償を中国に求めることに否定的な見解を示した。
オーストラリアのシンクタンク、ADCフォーラムのYouTubeアカウントは9日、シンガポール外務省出身で元国連安全保障理事会議長のキショール・マブバニ氏へのインタビュー動画を公開した。中国メディアの環球時報が19日付で伝えた。
マブバニ氏はまず、メディアの中で新型コロナウイルスに関する賠償を中国に求めるムードが出ていることについて「そのような話が出ていることに困惑する」と発言。「哲学上のルールでは、人に要求する場合は、すべての人に同じ要求をしなければならない。これを普遍的なルールにすることの結果を考えてほしい。もし普遍的なルールにするのであれば、ある国が他国にダメージをもたらした場合、それが意図したか否かにかかわらずその国は他国に賠償しなければならない」とし、2008年に米国から始まったリーマン・ショックを例に挙げて、「『リーマン・ショックで米国は世界に損失を与えた。米国はわれわれに賠償しなければならない』という意見を出したオーストラリア人がいたのか?。誰もそうしなかった」と指摘。「将来、より多くのウイルスが現れるだろう。今回は中国で現れたが、エボラ出血熱のようにアフリカで現れる可能性や、米国で現れる可能性もある」とし、「今、私たちは普遍的なルールを定めるべきなのか?」と疑問を投げ掛けた。
その上で、「ウイルスは偶然発生した。今回のことからわれわれが学ぶべきなのは、最初にウイルスの害を受けた国に対しては、賠償を求めるよりも助けに行った方が良いということだ。なぜならば、われわれが助けなければ、われわれ自身もウイルスの影響を受けうるからだ」と主張した。
そして、「中国は新型コロナウイルスが発生した初期に失敗を犯したが、最終的には極めて厳しい措置を実施し、さまざまな手段で中国内のウイルスの流行をほぼ完全にコントロールした。例えば、春節(旧正月)の2日前に人口6000万人以上の省を封鎖した。驚くべき措置だ」とし、「中国は多くの誤ったことをしたが、多くの正しいこともした」と強調した。(翻訳・編集/毛利)
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