人民網日本語版 2020年4月28日(火) 5時30分
拡大
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、日本経済はいま急速に「悪化」している。写真は緊急事態宣言後の銀座。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、日本経済はいま急速に「悪化」している。しかし、ウイルスとの戦いに対して「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」の対策を続けている日本政府だが、経済の苦境に関しては、次々と緊急経済対策を打ち出し、局面を打開しようとしている。中国新聞社が伝えた。
日本政府は23日に発表した4月の月例経済報告の中で、日本経済の現状を、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」とした。
日本政府が基調判断に「悪化」という表現を用いたのは、リーマンショック後の2009年5月以来、初めてとなっている。
同報告では、「感染症の影響で、日本の個人消費が大きく落ち込んでいるほか、生産と輸出も減少しており、企業の売り上げが急激に減少し、破産する企業も増えている」としている。また報告は、先行きについても「極めて厳しい状況が続く」としており、日本及び世界経済が感染症の影響によるさらなる下振れリスクに十分に目を向け、金融と資本市場の変動に注目する必要があるとの見方を示した。
商務部研究院の唐淳風(タン・チュンフォン)研究員は、「日本経済は現在確かにやや深刻な苦境に直面している。一つは日本の内需には限りがある点。もう一つは感染症の影響による世界的なニーズの萎縮と、産業チェーンやサプライチェーンの不安定さもまた世界経済に依存する日本経済に極めて大きな影響をもたらしている」とした。
上海対外経済貿易大学日本経済センターの陳子雷(チェン・ズーレイ)センター長も同様の見方を示している。陳センター長は、「現在の日本経済はまさに『弱り目に祟り目』。日本の公式データによると、2019年第4四半期、日本経済は明らかなマイナス成長となった。2020年第1四半期、新型コロナウイルス感染症の蔓延とともに、外国人観光客が急激に減少し、日本のホテル・宿泊施設や観光、外食、ショッピングといったサービス業に大きな影響を与えた。同時に国外ニーズの持続的な減少も日本の対外輸出に追い打ちをかけ、日本経済の2020年第1四半期のマイナス成長はほぼ確実となっている」とした。
陳センター長は、「第2四半期の初めに日本が『緊急事態宣言』を発令したことで、営業や操業を停止する国内企業が増加し、中小企業の倒産や従業員の失業リスクも急増している。また、『緊急事態宣言』が5月に解除されなかった場合、今年第2四半期の日本経済が引き続きマイナス成長の局面を打開することは非常に難しくなる。このような状況下での東京五輪の延期もまた日本経済に大きな打撃を与えた」と指摘した。
国際通貨基金(IMF)が4月14日に発表した経済見通しでは、日本の経済成長はマイナス5.2%としており、日本政府により積極的な財政政策を実施するよう呼び掛けている。
苦境にあえぐ日本経済への対策として、日本政府はすでに迅速な行動を見せている。20日に開かれた臨時閣議では補正予算案を再決定し、4月7日に決定した約108兆円規模の緊急経済対策を約117兆円規模にまで拡大させた。
この緊急経済対策の規模は2019年の日本の国内総生産(GDP)の20%に相当し、リーマンショック時の緊急経済対策の規模を上回っているだけでなく、GDPに占める割合からみても、米国が先ごろ発表した2兆2000億ドル規模の緊急経済対策がGDPに占める割合10%を上回っている。
この点について陳センター長は、「感染症の影響で東京五輪がすでに延期となり、日本経済のマイナス成長は避けられない状況。さらに日本国内の感染状況も緊迫した状況が続いており、今回の緊急経済対策は、止むに止まれぬ情勢に追い込まれ、出さざるを得なかった」としている。
また、陳センター長は、「日本の今回の緊急経済対策は、実体経済の運営を絶えず確保し、雇用と産業チェーンの安定を図ると同時に、感染状況がもたらした貧富の格差と民生救済にも全力を尽くすということがその中核となる。内需の不足と世界経済の不況という現状において、世界経済に依存しがちな日本経済は独善を貫くことも難しいため、こうした大規模な刺激策を実施していくことは完全に正しい方向性だ」との見方を示した。
緊急経済対策の効果について唐研究員は、「現在、日本と世界における感染状況はその先行きがまだ明らかでなく、日本経済への打撃も前例がないため、緊急経済対策の効果に対して判断を下すまでにはまだ時間を要する。しかし、日本の感染状況は欧米のような爆発的な拡大にはならないだろうと予想されている。これは主に日本国民の優れた自己抑制力にある。そのため、日本経済を悲観しすぎる必要はないだろう」とした。
国家発展改革委員会のマクロ経済研究院の崔成(ツイ・チョン)処長は、日本の深刻な高齢化現象を考慮すれば、人口の高齢化は経済成長へのマイナス影響が大きいだけでなく、感染症の影響を受けやすいと指摘。また、「財政政策や通貨政策から見ても、日本政府の政策的余地はG7の他のメンバー国に及ばない。さらに2019年末に米国と日本が新たに日米貿易協定を締結した後も、米国は日本からの輸入自動車に対して撤廃が見送られた関税をいつ発動してもおかしくない。これは日本経済にとって泣きっ面に蜂となるかもしれない」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/TG)
この記事のコメントを見る
Record China
2020/4/26
2020/4/24
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら
業務提携
Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る