自然と同じでゆっくりゆっくり。海抜1200mの障害者学級―四川省華イン市

四川省華イン市華イン山の海抜1200m地点に紅岩郷小学校という小さな小学校がある。この学校には障害者学級があり、肖世新（シャオ・シーシン）先生と2人の子どもだけで授業が行われている。

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肖先生は教師になって今年で30年になる。この山で育つすべての子どもたちに情熱を捧げてきた。すでに60歳近い肖先生だが、数年前に怪我をしてからは杖がなくては歩けない体になった。学校は肖先生が少しでも楽なようにと、わずか2人しか生徒がいないクラスの担任を命じた。ところが、このクラスは肖先生の30年の教歴の中で、もっとも難しいクラスだった。2人の生徒のうち、1人は知的障害者の唐亜玲（タン・ヤーリン）。1年生をやるのは今年で3回目だが、読み書きできる字は100字足らずだという。そしてもう1人は唖（ろうあ）者の吉甜（ジーティエン）だ。***

経験豊富な肖先生も最初のうちはどう教えればいいのか、さっぱりわからなかった。焦って、困り果てて、杖をつきながら教室の中をぐるぐるまわるばかり。子どもたちも先生を黙って見ているだけ。そんな日々が続いた。しかし、しばらくすると肖先生はだんだんと教え方がわかってきたのだという。慌てず、ゆっくり、ゆっくり。同じ内容を3回繰り返すという。1回目は黒板に書きながら説明し、2回目と3回目は唐さんと吉甜さんに個別に説明するのだという。

このやり方を始めてから、子どもたちはゆっくりとだが勉強が進み始めたという。もちろん1年生の内容にはまだまだ全然追いついていない。特に唐さんはまだ一桁の足し算・引き算すら満足に出来ないという。しかし、肖先生はもう焦らない。山の自然と同様に、ゆっくり、ゆっくり。急がないで子どもたちと付き合っていた。（翻訳/編集・KT）