環球網 2020年5月10日(日) 16時0分
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中国のオリジナルアニメ「伍六七(シザー・セブン)」は上海で生まれた中国アニメIPで、徐々に世界進出を果たしている。
中国のオリジナルアニメ「伍六七(シザー・セブン)」は上海で生まれた中国アニメIPで、徐々に世界進出を果たしている。米動画配信大手・Netflix(ネットフリックス)オリジナルと契約した初の中国アニメとして、その4カ月後に契約を更新した。文匯網が報じた。
5月7日、中国動画制作会社「啊哈娯楽(AHA ENTERTAINMENT)」が手掛けた「シザー・セブン」のシーズン2が、Netflixオリジナルアニメとして配信を開始した。シーズン1はすでに今年の1月10日から全世界に向けて配信をスタートし、SNS上では「一日でシーズン1を見終わった!」「面白くて深みがある」「今まで見た中国アニメの中で一番!」「今すぐシーズン2、シーズン3を見たい」など、世界のアニメファンからの熱いコメントが見られる。
今回のシーズン2は、英語・日本語・フランス語・スペイン語の4カ国語の吹替版と29カ国語の字幕版があり、190の国と地域で配信されている。このうち吹替版では、Netflix側は人気声優を起用し、今まで通りの制作クオリティーを保っている。
Netflixは世界最大で一番の影響力を持つストリーミングメディアプラットフォームとして、配信する作品に対して常に高い基準を持っている。近年、中国アニメの世界的知名度は上がりつつあるが、Netflixと契約と再契約を交わし、プラットフォームが自ら力を入れて制作に参与した作品は「シザー・セブン」が初めてだ。「0から1へ」、このアニメシリーズとその制作会社である啊哈娯楽はいったいどのような努力をしたか探ってみよう。
■「言葉のギャグ」を乗り越え、センチメント・美的センス・コンテクストにおいて文化的な違いを無くす
経験豊富なアメリカのトークショー記者、日本の大人気アニメ映画の声優、フランスの著名コメディー俳優、Netflix常駐番組のインフルエンサーがそれぞれ「シザー・セブン」の英語・日本語・フランス語・スペイン語の4カ国語の吹替版において主人公の声を演じた。こういった「背後の国際的な声」からも、Netflixがこの中国アニメを売り出す決心がうかがえる。
ほかの吹替俳優を見てみると、木村拓哉のような国際的スターを始め、「ズートピア」「リメンバー・ミー」「ワイ・ウィメン・キル」「NARUTO -ナルト-」など世界的に有名な作品への出演経験がある人が数多くいる。
「シザー・セブン」シーズン1がNetflixで配信されたのが一種の試しだとしたら、今回のシーズン2の配信はグレートドアップだと言えよう。
このアニメのプロデューサーを務めた啊哈娯楽の鄒沙沙・最高経営責任者(CEO)は、「中国アニメが海外進出する時、センチメント・美的センス・コンテクストの三つの面において文化的な違いを無くすことが非常に大事だ。言い換えれば、『いいものを世界に見せる』前に、まずは『見せて分ってもらう』ことが重要だ。『シザー・セブン』という鮮明な中国文化要素が含まれるキャラクターは世界共通の題材と国際的な美的センスという二つの条件を満たしたからこそ、文化的な違いを乗り越えた」との見方を示した。
「斬新で面白くてナンセンス」、これは「シザー・セブン」を見た人の最初のイメージだが、何回も続くストーリーの逆転から、そんなに単純な話ではなかったとの意見も続出。コメディーという作品の表面から中を覗いて見ると、アニメが表現する世界共通のヒューマニティーに共感して多くの視聴者は癒される。そして、シーズン2の物語はさらに深みを増し、より一層広大なストーリーが描かれる。
■海外進出の第一歩はグローバル化の中国IPを作り出す糸口でもある
以前、「この作品がうまく海外進出を果たしたのは、最初からグローバル向けに製作したからか」という質問に対し、鄒CEOは「このIPが持つ世界向けのポテンシャルを早い段階から認識していたが、海外進出の決心は胸に潜め、アニメ監督にすら漏らさなかった。なぜそうしたかというと、それはクリエーターの独立思考を守るため、またこのアニメの主要市場は中国だということも考慮に入れた。Netflixの目に留まったのは、良質なコンテンツを作り出してからの自然な流れだ」と答えた。
データを見てみると、コメディー・アクション・ストーリー性を融合した「シザー・セブン」は多くの中国アニメファンの心を掴んだ。2018年に配信したシーズン1は、中国動画サイトのビリビリ動画(Bilibili)で2.4億回、テンセントビデオ(Tencent Video)で3.6億回の再生回数を記録した。シーズン2は去年の秋から配信をスタートし、半年でそれぞれ2.1億回と5億回の再生回数を記録した。中国のユーザー参加型コミュニティーサイト「DOUBAN(豆瓣)」のレビューでは10点満点中8.9点の高評価を取り、中国国産アニメの中でもトップクラスの存在となった。
さらに注目したいのは、多分野にわたる「シザー・セブン」のIP開発の快進撃だ。中国の音楽配信アプリQQ音楽で、定価15元のオリジナル・サウンドトラック盤は9.7万枚の売り上げを記録し、ゲーム業界では「シザー・セブン」はすでに五つのゲームの中に顔を出した。アニメと異なる内容のマンガ版も去年末にリリースされ、アニメ映画の製作も準備期に入った。
IPを継続的に海外進出させ、各界の力を合わせて、啊哈娯楽は未来を狙っている。振り返ってみれば、「シザー・セブン」のNetflixでの配信は「海外配信の道を切り開く」というグローバル化の第一歩を踏み出すことだ。
鄒CEOは「20年、30年、さらにもっと遠くの未来に向けてこのIPを作り上げるつもりだ。二次元にとどまることなく、グローバルな影響力を持つ、中国を代表するIPへと発展させたい。私は中国アニメ業界に自信があり、今の80年代、90年代生まれの監督たちは国際的な視野を持っていて、ファンらも才能があふれている。一部の人は『寒冬』が来るなどとネガティブなことを言っているが、この作品の力を借りてみんなを励ましたい。これからも良質なコンテンツを生み出せば、中国アニメには無限のチャンスがある」と、思いと希望を語った。(提供/環球網・編集/孫ソウ)
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