「日本が中国にもたらした恩恵は弊害より多い」約4割が回答、香港入試の歴史問題で―中国紙

Record China    2020年5月26日(火) 17時0分

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香港の大学入試の歴史の問題が物議を醸したことで、「日本が中国にもたらした恩恵は弊害よりも多い」と回答した受験生が4割近くいたことが分かった。写真は香港。

香港の大学入試の歴史の問題が物議を醸したことで、「日本が中国にもたらした恩恵は弊害よりも多い」と回答した受験生が4割近くいたことが分かった。中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は批判的に伝えている。

14日に香港で行われた大学入試に相当する中等教育修了試験(DSE)の歴史問題で、20世紀の日中関係について二つの資料を提示した上で「1900~45年の間、日本は中国に対し、弊害よりも多い恩恵をもたらした」との記述に対する正否を答えさせる設問があった。資料は、一つが1905年に清朝政府が日本に学生を派遣させることに日本政府が同意したことを示すもの、もう一つが中華民国臨時政府と三井財閥が締結した借款契約の一部だったという。

この設問をめぐっては、一部の専門家から「設問と資料が明らかに日本寄り。1905年と12年の単発的な出来事だけで、日中戦争などの記述もないままこのような設問に回答させるのは学術のルールに反する」「出題者は意図的に日本に有利な史料を切り取り、生徒たちに『確かに日本人は中国にメリットをもたらした』との思いを抱かせるようリードしている」などの批判の声が上がった。香港教育局も同設問を取り消すよう求め、22日に取り消しが決まった。

記事によると、25日に行われた香港立法会(議会)教育事務委員会の特別会議で、当該設問に「弊害が恩恵よりも多い」と回答した受験生が57.1%で、「恩恵が弊害よりも多い」との回答したのは38%だったことが報告された。残る4.9%は立場を示さなかったという。民主派の議員は「受験生の回答は『恩恵が多かった』に偏っておらず、誘導されてはいない」とし、香港教育局が同設問の取り消しを求めたことに失望を表明した。一方、教育局の楊潤雄局長は、「取り消しを求めたのは政治的な考えからではなく、設問に問題があったため」としている。

なお、環球時報の記事は、一部では「当該設問は中華民族の根幹に触れるものであり、恩恵か弊害かの議論など存在しない」との声があると伝えている。(翻訳・編集/北田

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