環球網 2020年5月28日(木) 9時0分
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この1カ月間、中国各地でひそかにピクニックブームが起こり、若者の新しいレジャーの一つとなった。
この1カ月間、中国各地でひそかにピクニックブームが起こり、若者の新しいレジャーの一つとなった。北京日報が伝えた。
新型コロナウイルス感染状況の好転につれ、ピクニックに出かけることがはやり、「2020年は中国のピクニック元年」とネットユーザーが冗談めかして言う。取材中、このブームは多くのビジネスチャンスを生み出したことも分かった。
■モーメンツでのピクニックブーム
赤と白のチェック柄のピクニックシート、田園風の竹バスケット、ゆらゆら揺れる風船…最近中国のインスタントメッセンジャー微信(WeChat)のソーシャル機能「朋友圏(モーメンツ)」には、こういったピクニック写真がたくさんアップされた。北京のオリンピック公園や朝陽公園のあちこちで、若者が輪になってピクニックを楽しむ姿が見られる。
「家に引きこもっていた期間が長く、ようやく外に出ることができた。しかし新型肺炎に対してまだ気を緩めることはできない。ピクニックなら割と安全で健康によく、しかもコストもそんなに高くない」と、市民の胡蕊さんはピクニックが人気な理由を語った。
感染症の原因で経済への影響が大きく、若者の生活予算も下落し、海外旅行や高級レストランでの集まりより、ピクニックは一番コストパフォーマンスが高いということで人気になったとも考えられる。
一方で、ピクニックそのものより、一部の人は写真の出来栄えにこだわっている。「以前(口コミECアプリの)小紅書(RED)に投稿した内容には数十個の『いいね』しか付かなかったが、ピクニック関連の内容にはいきなり2000個の『いいね』が付いた」と、OLの暘さんはその違いに驚いていた。
データによると、小紅書ではピクニック関連の投稿数は同期比で13.6倍も増加し、上海・北京・広州・深セン・杭州が投稿数トップ5都市となった。
しかし指摘も続出し、「飲み物を入れるのはシャンパングラスに限る。飾り用の新聞紙は必ず英文のもの。そうしなければ『おしゃピク』が『ダサピク』となる」と一部の消費者はツッコミを入れる。
■ビジネスチャンスをつかみたい業者
「Still begirl」さんは小紅書のグルメブロガーのひとりで、彼女のピクニックに関する投稿は数百もの「いいね」を獲得した。その投稿の下には関連用品のリンクがあり、直接クリックして購入することができる。
多くのECプラットフォーム業者はこのピクニック経済に潜む新たなビジネスチャンスを発見し、それぞれ「ピクニックパック」を打ち出した。アウトドア用品を販売する店主は取材に対し、「ピクニック関連のタグが付いている商品はよく売れる。防水シートだけでこの1カ月間で3.5万個も売った」と話した。
北京にあるレストランやスイーツ店もこのブームに乗り、ピクニック向けのメニューを提供するようになった。普通の出前用のパッケージより、いずれも見た目がきれいな弁当箱付きなのがその違いだ。値段の高いコースにはピクニックシートがおまけで付いており、フォトジェニックな一枚が絶対撮れると店側が自信を持って保証する。
■郊外の公園が一番の選択肢
中国の旅行口コミサイト「馬蜂窩」の観光ビッグデータによると、今年3月以来、ピクニックをテーマとする観光の人気度が前年比で132%も上昇した。玉渡山やオリンピック公園などが北京市民に注目される人気のピクニック地となった。
しかし実際に恰好のピクニック地を探すのは容易ではない。ブームの拡大により、芝生と木陰があり、地べたに座れる平らな場所を探すのはなかなか難しい。それに静かな環境を求めるなら、有名ではない市内から離れた新しくオープンした郊外の公園を選ばなければならない。
取材では、北京の一部の公園ではピクニック禁止ということも分かった。観光客は公園内にある専門エリアで食事することが決まりで、火を使うバーベキューはほとんどの公園で禁じられている。フルーツ狩りのできる観光農園もピクニック場所を提供するようになったが、ゆっくりと家の近くで楽しい午後を過ごしたい市民にとって、コストや利便性を合わせてみても郊外の公園は一番の選択肢となる。(提供/環球網・編集/孫ソウ)
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