<コラム>韓国で日本のことが好きだと言ったらどうなるだろうか

木口 政樹    2020年6月18日(木) 19時50分

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最近、ユーチューブに「韓国人の私がなぜ親日になったか」というようなものが多くなったように思う。しゃんはソウル。

最近になって、ユーチューブに「韓国人の私がなぜ親日になったか」というようなものが多くなったように思う。筆者が時々見ているサイトを以下にご紹介したい。サイトに入って一度ご覧いただきたい。いや、こんなサイトはすでに本レコチャの読者の方々はご存じかもしれない。そういった方々は今回はスルーしていただきたい。ご存じない方のためにアップした。また、ここに紹介されていないサイトで筆者に教えてやりたいというサイトがあったら是非ご教示いただければ幸いである。

たぶん一番有名なのは「WWUK TV」の「ウォーク」さんだと思う(=韓国人の僕が反日教育は間違いだと気づいたキッカケ)。「ウォーク」さんに次いで「韓国男子TV」さん(=反日教育を受けた韓国人が親日になっていく過程)。そして「ジェホTV韓国人」さん(=反日教育を受けた韓国人が親日になった理由)。さらに「落ちちゅけデボちゃん」さん(=韓国人である俺が親日になったきっかけ)。その次に「さんぷんちゃん」さん(=反日韓国人が、私が日本人だと思って私に言ったこと)。このほかにももっとあるのは確実だけれど、筆者が把握していて時々見ているチューブは以上だ。

彼らに共通しているのは、韓国という(全体が反日教育の)場で成長しながらも日本人と会って日本に対して関心が出てきて、日本をもっと知りたいと思うようになって、いつの間にか今みたい(日本好き)になっていたというあたりだ。特に注目したいのは、本当のことを知りたいと思って調べていったら受けてきた教育が間違っていて、日本はそんなに悪くないと思うようになり、日本のことが好きになっていったという点である。日本のことを贔屓にしようとして今のような立場になったのでもないし、生まれた韓国のことが嫌いで今のような立場になったのでもない。「真実」はどうなのか、「自分の目で見て自分の頭で考えたらどうなのか」とやっていったら今の自分(日本好き)になっていたという点が共通して見えて面白い。

筆者が韓国で生活してきてすでに30年が過ぎてしまった。足掛けでいうと33年目だ。筆者は、親韓でも嫌韓でもない。(どちらかといえばもちろん親韓のほうだけれど。)日韓関係が良くなることを願いながらこんなコラムを書いているし、この地で生きている。今、文政権になってからは、日韓関係は最悪の状況になってしまった。最悪の中でも、上に紹介したような若者たち(韓国人)がいてくれて、筆者としては本当に救われる思いだ。若者たちが自分のことばを言う時代になってきたということなのだろう。

韓国で、日本のことが好きだと公の場で言ったらどうなるだろうか。半殺しまではいかないまでもただで済まないだろうことは容易に想像がつく。上に紹介した「さんぷんちゃん」さんのユーチューブでは、韓国人の本人と日本人の友達が日本語でしゃべっていたら、日本嫌いの韓国のおっさんが酒に酔った状態で近づいて来て、難癖をつけられた内容である。筆者は喫茶店などで日本語でしゃべったことはもちろん数限りなくあるけど、誰かがやってきて「この野郎」と言われたりつっかかられたりしたことはない。運がよかっただけなのかもしれないけれど。

33年生きてきながら感じてきたのは、日本のことを好きだと言いたい人がたくさんいるはずなのに反日バイアスがかかっているお国柄のせいで、声をあげることができないでいるんだな、ということである。でも、ユーチューブの時代になって個人スタジオで撮ってアップすればいいから、どんどんこういう「真実」を言う韓国の方(若者も壮年も)が増えてくるだろうという気がする。個人スタジオで撮ってもすかさずその家をつきとめ、脅迫したりのメールや電話が来たりすることもあるという。さすがIT先進国だ。どうやって調べてしまうのか筆者にもわからないのであるが。身の危険を感じながらも真実を言いたいがためにユーチューブにアップしている人がいるのだ。こういう人たちには心からエールを送りたい。

家と家だったら、隣の家の人が嫌いになったら引っ越しすればいいけれど、国と国では引っ越しはできない。永遠にお隣同士で過ごすしかないのだ。だったら仲良くやっていくしかない。憎みあって毎日ストレスの中で生きるというのか。ばかな。「国際条約さえ簡単に反故にしてしまうような人種とは付き合えない」とぶん投げたり、「あんな礼儀知らずの連中とは関係が切れてもOKだ」といったように諦めてしまっては、できるものもダメになってしまう。みんなが諦めても自分は一人でも諦めないというユーチューバーがいるじゃないか。例えば「ジェホTV韓国人」さん。

若者たちがこんなにがんばっているのだ。われわれ定年退職組のロートルも、あきらめることなくできる範囲のことをやっていこうじゃないか。日韓関係を良くするのなんて、不可能に近いくらい難しい。しかし難しいからこそ意義があるのではないか。北との関係で、窮地に立つ文政権。また反日カードで国民の目を北から別の方向に向けようとはしないでほしい。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ・バードが理想郷と呼んだ山形県・米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大学校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓国』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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