人民網日本語版 2020年6月5日(金) 22時10分
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中国の複数の科学研究チームと企業は先ごろ、再利用可能なマスクを開発したと発表した。その防護効果はどの程度なのか。手が届く価格なのだろうか。
中国の複数の科学研究チームと企業は先ごろ、再利用可能なマスクを開発したと発表した。その防護効果はどの程度なのか。手が届く価格なのだろうか。新華網が伝えた。
業界関係者によると、マスクは3つの層からなり、内側と外側の2層は不織布で、間の層はマスクの「心臓」と呼ばれるメルトブロー不織布だ。この3層の布が、物理的な遮断と静電気吸着の原理により、微粒子やウイルスを遮断する効果を発揮する。高温、アルコール、放射線などの消毒方法はメルトブロー不織布の内層構造を破壊し、ろ過の効果を失わせる。そのため一般的なマスクは再利用できない。
再利用可能なマスクの研究開発でカギとなるのは、抗菌・殺菌素材もしくは伝統的な消毒方法に耐えることが可能なろ過材を見つけることだ。
広州市の某企業の責任者である袁建華(ユエン・ジエンホア)氏は、「当社はオルガノシランで処理した不織布をマスクの外層に採用した。ウイルスと細菌を抑制でき、マスクを連続7日間有効利用できる。別の製品はポリテトラフルオロエチレンろ過膜を使用しており、熱湯、洗浄、医療用アルコールのスプレーなどにより消毒でき、ろ過効果を損ねない。7日以上再利用できる」と述べた。
ポリテトラフルオロエチレンを用いた「再利用可能ナノマスク」の製品説明によると、そのポリテトラフルオロエチレンナノろ過膜マスクのろ過効率は96%以上で、従来のメルトブロー不織布よりも「長い耐用期間を持ち、熱湯やアルコールなどの消毒・殺菌方法に耐えられ」、「正常に着用し破損がなければ、消毒して再利用できる」という。
公開された資料によると、上海市と北京市の企業が、ナノもしくはグラフェンなどの材料を使った再利用可能なマスクを研究開発したと発表している。
多くの再利用可能マスクの販売価格は同種の使い捨てマスクよりも高い。例えば、ある再利用可能ナノマスクの販売価格は1袋10枚入りで60元(約900円)で、1枚あたり6元(約90円)となっている。
一部の製品は現在、医療機器関連証書を取得しておらず、一部のスーパーやECサイトのみで販売されている。記者が一部のECサイトで検索したところ、再利用可能マスクの価格は1枚あたり4−5元から数十元とまちまちだった。
■再利用可能マスクは信頼できるか?
取材によると、こうした再利用可能マスクは品質とろ過効率においてバラツキが見られた。
広東省医療機器品質監督検験所が再利用可能マスクを対象に行った検査・測定の報告書によると、一部のサンプルは3日使用した後も、細菌のろ過効率が依然として95%以上を保った。広州検験検測認証集団有限公司の報告書によると、某社が生産した再利用可能マスクは水に10回浸した後も、ろ過効率が基準に達していたという。
安定性や技術の成熟度で改善が必要なマスクもある。例えば広東省医療機器品質監督検験所の現場検査・測定によると、あるろ過材は軽くもんだだけで剥がれ落ち、通気性も悪く、長時間着用すると息苦しくなる。またある検査・測定報告書によると、あるサンプルは数日使用すると、細菌のろ過効率が82%前後に低下した。
取材によると、こうした再利用可能マスクの防護効果を疑問視している消費者も少なくない。広州市民の王さんは、「再利用可能マスクはメーカーが宣伝している効果に達するのか、そして自分が消毒を決められた通りできるかどうかについても、確信が持てない」と話した。
広東省医療機器品質監督検験所医療用材料室の黄敏菊(ホアン・ミンジュー)室長は、「再利用可能マスクの研究開発に対する支援を拡大し、関連科学研究機関及び企業の技術開発を奨励し、製品の質を上げつつ価格を引き下げ、消費者のニーズを満たすべきだ。このほか、監督管理当局は早急に再利用可能マスクの関連基準を打ち出し、消費者が安心して使用できるようにするべきだ」と提案した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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