Record China 2020年6月24日(水) 14時0分
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実業家やビジネス評論家としても活動する金錯刀氏は18日、日本や韓国の製品のふりをしてビジネスをする中国企業のいわゆる「パクリマーケティング」の実情を批判する文章を微信で発表した。
中国のビジネス誌「デジタルビジネス時代」の主筆を務め、実業家やビジネス評論家としても活動する金錯刀氏は18日、日本や韓国の製品のふりをしてビジネスをする中国企業のいわゆる「パクリマーケティング」の実情を批判する文章を微信(WeChat)で発表した。
同氏は、最近中国国内で「大白兎」のミルクティーが爆発的な人気になっていること、華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)のデジタル製品が広く普及していることを挙げ、以前と比べて中国製品の品質や信頼性が向上したことを評価。一方で、一部企業に見られる問題点も指摘している。
■大ヒットを飛ばす飲料メーカーの「偽日系」
例として挙げたのは、創業わずか4年で企業の評価額が40億元(約600億円)にまで成長した飲料メーカーの「元気森林」。同社は先日、“口紅王子”と称される大人気ネットインフルエンサーの李佳[王奇](リー・ジャーチー)とコラボレーションし、15万本の商品をあっという間に販売。ユーザー数4.6億人とも言われる中国版ツイッター・微博(ウェイボー)のホットワードを獲得した。
同社は3年前に「無糖、無脂肪、ゼロカロリー」をうたったお茶「燃」を発売。中国人の健康志向の高まりを背景にヒットした。さらに、無糖の炭酸飲料「気」も大ヒットを記録。昨年には、無糖、無添加、低脂肪のミルクティー「元気森林 乳茶」を発売。TikTok(抖音)などのプラットフォームでPRし、若者を中心に口コミで人気を獲得した。
急成長を続ける一方で、ある問題が指摘されている。同氏はそれを「偽日系(偽日本風)」と表現した。消費者に日本製品であると誤認させるようなデザインを用いたマーケティングを指す。同社の商品を見ると、中国語の「气」ではなく日本語の「気」の文字が使われたり、「果の毎日茶」とひらがな交じりの文字が使われていたりする。さらに、製品の販売元の欄には「日本国 株式会社元気森林」の文字まで書かれている。
同社が最近、SNSで打ち出している新商品「北海道ヨーグルト」も同様だ。パッケージには「北海牧場」「タンパク」「たくみ」などの日本語が印字されており、同氏は「商品名を見ただけで日本の地名・北海道を想起する上、宣伝文句も日本の雰囲気で満ちている」と指摘した。
■日本企業・韓国企業のふり、長期的には墓穴を掘ることに
同氏は、「元気森林は日本のものなのか?」という疑問が長い間ネット上における同社の関連ワードになっていたとした上で、「同社は2016年創業で所在地は北京市朝陽区。ヨーグルトを販売していた『北海牧場(北京)乳品有限公司』は同社が100%出資した子会社だった」と説明。「お分かりの通り、完全に中国の企業である」とした。
そして、同社製品の表示に改めて言及。「元気森林」という名称については、「日本語の中で『森林』という言葉はあまり使われず、『元気の森』などとした方がそれらしい」と指摘。「0糖、0脂」との表記も「糖質0、脂質0」とすることが多いとした。また、「元気森林 乳茶」のボトルに描かれた少女のイラストが不二家の「ペコちゃん」によく似ていること、炭酸飲料の「気」の広告も日本風の制服を着た少女が起用されている他、広告には日本語で「無糖 スパークリング 元気水を飲もう」などと記されていることを紹介した。
同氏は、「日本の食品は消費者に安全でおしゃれという印象を与える」と意図は理解しつつも、「国産でありながら日本製品という皮を被るのはどうしても納得がいかない。きちんとした製品であるならば、なぜ自らに自信が持てないのか」と批判した。また、近年こうした外国製品を装った国産品が数多く出回っているとし、韓国の雰囲気を全面に打ち出した化粧品ブランド「韓束(KANS)」が、実際は韓国と全く関係がなかったというケースを紹介した。
さらに、中国でも有名な日本の「一蘭ラーメン」と瓜二つのラーメン店が中国に登場したことを挙げ、「日本の記者が実際に訪れて味を確かめたところ、まずくはないが一蘭の味ではないとの評価だった。気まずいとは思わないのだろうか?」とただした。その上で、「パクリに時間を費やしているのなら、どのようにして中国らしい特色あるラーメンを出せるか研究すべき」「こうしたやり方は短期的には魅力があるが、真相を知った消費者は外国製品をより強く信用するようになる。これは(国内企業が)墓穴を掘る行為だ」と論じた。
■中国人は今や国産を支持している
同氏は、「かつての消費市場は『国産よりも海外産』だった。しかし、近年は国産も飛躍的に進歩を遂げている」と指摘。2019年の「中国消費者趨勢(動向)」では、国産品をよく買うと回答した割合が78.2%に上ったことを挙げ、「インターネット時代、消費の主体は『00后(2000年代生まれ)』の若者だ。彼らは見た目だけでなく、個性や品質を重視する」「重点は包装ではなく、品質である」と訴えた。
その上で、「大衆に迎合するため、日本風や韓国風のデザインにすることは一種のマーケティング戦略であり、売上増につながるのは確かだ。だが、長期的に見るとこうした“偽日系”の仮面はかぶり続ければ続けるほど、剥がれた時の損失が大きくなる」と指摘。「もともと人々の健康志向に合わせた商品には市場があったが、わざわざ得体のしれない“偽日系”の包装で展開した。これは本当にもったいないことだ。消費者は故意に消費者をミスリードするようなやり方にだまされたと感じるだろう」と論じた。
同氏はまた、中国の雰囲気を強く打ち出して成功している調味料メーカー「老干媽」や、自動車メーカーのBYD(比亜迪)を例に挙げ、「実は、中国人には国産を支持しようという気持ちがある。消費者が国産を買う理由は主としてコストパフォーマンスが高いと信じているから。質が良く、国産を応援できるとあれば、消費者は喜んで買うだろう」と説明。「パクリよりも、どのようにすれば中国製のブランド効果を高められるかを考えるべきだ。将来、中国ブランドが“神話”を作ることを願いたい」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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