一部のEU諸国、医薬品の脱中国依存目指す―米メディア

米ボイス・オブ・アメリカの中国語版サイトは3日、「一部の欧州連合（EU）諸国は医薬品の中国への依存を減らすことを目指している」とするロイター通信の記事を取り上げた。

記事によると、EU加盟国のうち19カ国が医薬品成分の中国からの輸入への依存を減らすための措置を推進していることが2日付の文書で明らかになった。

その1週間前には、欧州委員会が1360億ユーロ（約20兆円）の製薬業界を管理する法律の見直しを提案している。

法案の目的は、新型コロナウイルスの治療費によって医療予算が枯渇する中、投資を復活させ、不足を減らし、手頃な価格の医薬品へのアクセスを促進することだ。

一方、ベルギー、フランス、スペイン、ドイツなど、この文書を支持している国々は、「重要医薬品法」によって重要な医薬品成分の供給の安全性を強化するために、EUがより「抜本的な措置」を講じることを望んでいる。

各国が懸念するのは、中国の主要な原材料と少数の製造業者に対する世界的な依存だ。欧州の基準を満たす成分の50％以上を製造している工場は五つに満たない。

文書によると、EUは少数のメーカーや地域からの輸入にますます依存するようになっている。2019年には世界の医薬品有効成分（API）の40％以上が中国から調達された。ほぼすべてのAPI生産者は中間投入を中国に依存している。

委員会は、EU全体で不足が回避されるよう、より多くの監視が必要な重要な医薬品のリストを作成することを目指している。

文章は「これらの医薬品については、供給を監視し、グローバルバリューチェーンをマッピングし、（潜在的な）供給業者と脆弱性を特定しなければならない」とし、「そのリストは繰り返し供給が不足している医薬品から始めるべきだ」と述べている。

各国はまた、「代替の供給業者や医薬品が見つからないという極端な場合」に、EU加盟国が相互に依存できるようにする措置も求めている。（翻訳・編集/柳川）