人民網日本語版 2020年6月16日(火) 16時50分
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福建省が起源の海の女神を祀る「媽祖」信仰は、世界遺産に登録されている。
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福建省■田▲洲島(■は草かんむりに甫、▲はさんずいに眉)が起源の海の女神を祀る「媽祖」信仰は、世界遺産に登録されている。これは中国で初めてとなる信仰系世界遺産だ。「媽祖祭」では、供物としてしんこ細工100種類以上が奉納され、それが祭りの最大の見せ場となり、見る人を感服させる。特に圧巻なのは114種類の魚介類で、その名前全てを言える人はほとんどいないだろう。中国新聞社が報じた。
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「媽祖」の故郷である福建省■田▲洲島では、魚介類のしんこ細工を作る職人は「捏海人」と呼ばれている。島で尊敬を集める医者である黄亜棋さん(58)は、高い技術を身につけた「捏海人」でもある。
「媽祖信仰」が世界遺産として登録された2009年、黄さんも■田で第一陣の媽祖信仰の伝承人に選出された。さまざまなサイズのストローや爪楊枝、牛の角、タイマイ、竹制の彫刻刀などが、しんこ細工を作る道具になる。
しんこ細工作りで、一番難しいのは色付けだ。黄さんは、アクリル絵具をしんこ細工に吹き付けたり、筆を使って色を付けたり、点を描いたり、しんこ細工を絵具の中に漬けたりして、海に住む生物のとてもリアルなしんこ細工に息を吹き込んでいく。「形がそっくりでも、うまく色が付けられなかった時は、廃棄する。誰が見ても『そっくり』と言ってもらえる作品でなければならない」と黄さん。
そして、超軽量紙粘土が流行っているものの、発色が思うようにはいかず、リアルに仕上がらないため、黄さんは今でも自分でしんこ細工の材料を作り、色付けを行っている。
黄さんは、「捏海人」になって約40年になり、その頭には海の生物に関する「データバンク」あって、「300種類以上の海の生物を作ることができるが、最も熟知している160種類は私の『心』に刻まれている。一番難しいのはワニ。みんなよく知っている動物なので、よりリアルに作らなければならない」と語る。
また、「媽祖に奉納するしんこ細工の魚介類は、自然と調和を保つという中国の生態をめぐる思想が詰まっている」と話す。
媽祖生誕の日である旧暦3月23日前後になると、海王が海の生物全てを携えて▲洲島の周りを巡り、媽祖と謁見すると言われており、同島の伝統では、海の生物の邪魔をしないようにと、その時期になると漁をしたり、釣りをしたりすることが禁じられる。
そして、禁漁期間中、供物として海の生物のしんこ細工が並べられる。「実際のところ、この時期は魚の群れが▲洲島の周りの浅瀬にやって来て、排卵する時期に当たる。漁民たちが『神様』の力を借りて禁漁を行うのは、実は生態資源を保護するための、海洋文化の知恵だ」と説明する。(編集KN)
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