中国初の海外輸出通信衛星打ち上げ成功―四川省西昌県

2007年5月14日午前0時1分、中国西昌衛星発射センターで、ナイジェリアの通信衛星を乗せたロケット「長征三号乙」の打ち上げに成功、ナイジェリア初の通信衛星は無事、大気圏外に送り出された。国を超えたこのような形でのサービス提供は、中国で初の試みである。

運送ロケット「長征三号乙」は、中国航天科技集団公司所属で、中国運送ロケット技術研究院の製作による。今回の発射は、「長征」系運送ロケットの98回目の飛行となった。担当責任者によると、ナイジェリア通信1号は、西安衛星観測制御センターのコントロール下での一連の軌道修正後、ナイジェリア側に引き渡され、ナイジェリアにおける通信、放送、ブロードバンドなど各分野でその役割を果たすことになる。

今回の打ち上げは、2004年12月15日に両国間で締結された「ナイジェリア通信衛星1号軌道交付契約」に基づいて実施された。この衛星は、ナイジェリアに15万以上もの通信に関わる事業や雇用を提供し、同時に通信運営の費用をこれまでより9億5千万ドル（約1140億円）も削減するという。そのほか、インターネット事業、ネットワークを用いた遠隔教育、行政の面でも大きな役割を果たし、ナイジェリア経済の発展、ひいてはアフリカ全域の衛星、通信、電子ネットワークの面で発展に貢献する。

関係者は、今回の衛星打ち上げの成功は、今後中国の商業用ロケット技術を国際市場に提供する上で大きな意義を持つとしている。さらに、この衛星は中国が初めて海外に輸出したものであり、アフリカ諸国との友好関係においても重要な役割を果たすものとなった、と語った。（翻訳/編集・BA）