<直言!日本と世界の未来>政界を揺るがす「金権選挙」に驚愕=前法相夫妻逮捕―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2020年6月21日(日) 7時0分

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前法相の河井克行衆院議員と、妻の河井案里参院議員が買収容疑で逮捕された。「金権選挙」の実態は民主主義の土台である政治と法への信頼を深く傷つけるもので、驚愕せざるを得ない。

前法相の河井克行衆院議員と、妻の河井案里参院議員が大がかりな公職選挙法違反(買収)容疑で東京地検特捜部に逮捕された。「法と正義」を担う法務行政のトップを務めた国会議員が妻の国会議員とともに、選挙の公正や公平を汚す行為に手を染めたということになる。「金権選挙」の実態は民主主義の土台である政治と法への信頼を深く傷つけるもので、驚愕せざるを得ない。

選挙違反事件で現職の国会議員が逮捕されるのは17年ぶり。案里容疑者が初当選した昨夏の参院選での買収容疑という。地方議員や首長、後援会関係者ら94人に計約2570円を渡し、現金を手渡し、案里議員への投票や票の取りまとめを依頼したとされる。

買収は票をカネで買う行為であり、民主主義の根幹を揺るがす。地元政界を巻き込んだ「金権選挙」に驚きを禁じ得ない。検察には、徹底的な真相の解明が求められる。

 

参院選で改選数2の広島選挙区には、自民党から案里容疑者と現職の溝手顕正氏が立候補した。案里容疑者の陣営には党本部から、溝手氏の10倍もの1億5000万円の選挙資金が振り込まれたとされる。この資金が政党交付金から支出されていれば、国民の税金が買収の原資になった可能性があるという。関係者は党からの活動費は買収問題と無関係だと述べているようだが、この資金が地元政界にばらまかれた現金の原資になっていた可能性について調ベル必要もありそうだ。自民党は国から年間約170億円の政党助成金を受けており、使途について丁寧に説明すべきだろう。

克行容疑者は安倍晋三首相の補佐官を務めたことがあり、菅義偉官房長官ら政権幹部とも近い。地元の頭越しに案里容疑者の擁立が決まり、首相の秘書が応援に入ったという。その結果、安倍氏を批判した過去がある溝手氏が落選したとされる。

 

「政治とカネ」に関する問題は昭和時代に噴出したが、政財界とも浄化し乗り越えてきたはずだった。今回の逮捕劇は、政権と与党の「政治とカネ」を巡る認識の甘さが招いたと言うほかない。良識を取り戻してほしい。

選挙の公正さを保つには政治資金の流れをさらに透明化する必要がある。政治家や政党支部間の資金移動の制限も検討課題となろう。

<直言篇122>



■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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