日本人は『三国志』を「自分のもの」にしている―中国人学生

日本僑報社    2020年7月14日(火) 19時20分

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日本で有名な中国の小説の一つに『三国志』が挙げられる。斉斉哈爾大学の顔坤さんは、「三国志」の中に日本の魅力を見出したようだ。写真は諸葛亮などを祭る成都市の武候祠。

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日本で有名な中国の小説の一つに『三国志』が挙げられる。斉斉哈爾大学の顔坤さんは、「三国志」の中に日本の魅力を見出したようだ。以下は顔さんの作文。

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最近たまたま「英雄たちの夜明け」という題名の歌を聞いた。そして『三国志』という日本のアニメを思い出した。そのアニメは中国の三国時代についてのもので、有名な小説『三国志演義』に基づいて、「英雄たちの夜明け」「長江燃ゆ」「遥かなる大地」の三つの部分に分かれている。その三つは蜀漢の歴史を主に三国の変遷をたくみに語っている。くわしく戦闘の激しさを描きながら、人物の性格と英雄の姿も生生しく描いている。本当に立派なアニメだと思う。

雑誌「週刊文春」は2005年に、日本人が一番尊敬している世界の100人について調査した。結果は、中国人で挙がったのは諸葛孔明と孔子だ。諸葛孔明は28位、孔子は87位だった。日本人は諸葛孔明を敬愛している。なぜなら、日本人は「優秀な才能を持って忠誠を尽くす悲劇の英雄」という人物像が好きだから。

三国時代の文化と日本文化のつながりを考えてみると、似ている点がある。日本文化においては、「忠君愛国」の思想は大切なことだ。三国の武将は自分の主君に忠誠を尽くすことがよくある。その忠実さが好きなのだ。一方で、三国時代には規模の大きな戦があって、その激しさが人をひきつけている。「その時代にいればよかったな。英雄になりたいものだ」と思うことがきっとあるだろう。このようにして、その時代の英雄も人々のアイドルになったと思われる。

日本の作家・吉川英治は、1948年に『三国志演義』を踏まえて小説『三国志』を発表した。吉川『三国志』は、原作を踏まえながら書き換えて、すばらしい小説になった。そして『三国志』は日本でさらに人気を得た。吉川『三国志』から三国志についての漫画やアニメやゲームなどがいろいろできた。特にゲームは、現代になって日本人ばかりでなく、ほかの国の人にも大歓迎されている。たとえば、「真・三國無双」ゲームシリーズの作品は、今まででもう450万部以上買われているという。とても人気がある作品である。このような作品はまだたくさんある。中国人もそれらの作品を愛好している。

多くの中国の青年は、日本の三国志ゲームをしたことで、三国志の本を読みたいと思うようになった。三国志の物語を改めて整理して、もっと理解しやすいような形式にした日本の先輩たちに「ありがとう」と感謝したい。実は今、中国の若者たちはスマホとコンピューターに溺れるばかりだ。中国の伝統文化にまったく興味がない。歴史についてのゲームに伝統文化の重要性を感じるというのは時代の哀しみではないか。ある人が京都大学で学生にテストをしたと聞いた。テストの内容は、ランダムに学生たちに三国志のあまり有名ではない武将の名前を質問することだった。驚いたのは、質問された学生たちはすぐ答えた。それは、日本人がもう三国志を自分のものにしていること表している。それが日本の魅力となっている。

日本人は優秀な外来文化を自分のものにするのが得意である。たくさんの文化を吸収し改良して、自分たちの独特な文化を作った。身近な例をあげれば、カレーである。カレーは、昔インドからイギリスを経て日本に伝来した。それから日本人はカレーの作り方を改良して、いろいろな味のカレーを作り出した。そして最終的にカレーは日本の特徴的な飲食文化になった。日本人の三国志に対する態度も同じだ。他人の長所を学び、消化して自分のものにするようになった。カレーから三国志まで、日本の魅力はまさしくこれだと思う。(提供/日本僑報社・編集/北田

※本文は、第十四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国の若者が見つけた日本の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2018年)より、顔坤さん(斉斉哈爾大学)の作品「日本人の『三国志熱』」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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中国人の日本語作文コンクール受賞作品集はコチラ
http://duan.jp/item/267.html

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