2020年7月28日、韓国・ソウル新聞によると、韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領は同日、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相に対し、世界貿易機関（WTO）の事務局長選に出馬した韓国産業通商資源部の兪明希（ユ・ミョンヒ）通商交渉本部長への支持を呼び掛けた。

文大統領は同日夕、アーダーン首相と電話会談し、新型コロナウイルス感染症の対応において協力していくことで一致した。文大統領はこの電話会談でWTOの事務局長選についても話題に挙げた。出馬した兪氏について、「アジア太平洋地域の唯一の候補として出馬した。通商の専門家として、WTOの改革と多国間貿易体制を強化させることができる適任者」とし、「ニュージーランドの支持を期待する」と述べた。

これに対し、アーダーン首相は「ニュージーランドは貿易を重視しており、WTO事務局長選に関心がある。兪氏が非常に優れた資質を持っていると聞き、注目している」と答えた。

事務局長選には兪氏のほかナイジェリアで財務相を務めたオコンジョイウェアラ氏やケニアのスポーツ・文化・遺産相のモハメド氏など8人が立候補。日本は現在、対韓輸出規制強化などで韓国と対立していることから、日本国内では、兪氏が事務局長に選出された場合、公平・中立性が確保されるのか懸念する声が出ている。

このニュースに、韓国のネットユーザーからは、「支持依頼を受けたニュージーランドの首相の心の内はどうだろうか？」「支持を求めるこのような電話は逆効果では？」などといった声が上がっている。

また、「兪氏にはぜひ韓国人初の事務局長になってほしい」「兪氏は優秀だ。事務局長に適任だと思う」などと兪氏の当選に期待するコメントもあった。

その他、「今こそ韓国の外交力を見せつける時」「果たしてニュージーランドは誰を支持するのだろうか？」「アーダーン首相は同じ女性として兪氏をどう評価する？」といった声も上がっている。（翻訳・編集/関）