Record China 2020年7月31日(金) 12時20分
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31日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、台湾の李登輝元総統が30日に死去したことを受け、「中国の歴史は分裂を進めた人間を絶対に許さない」と題する社説を掲載した。写真は台北栄民総医院。
2020年7月31日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、台湾の李登輝元総統が30日に死去したことを受け、「中国の歴史は分裂を進めた人間を絶対に許さない」と題する社説を掲載した。
社説は、「李氏の死去を受け、台湾のネット上では李氏に対するさまざまな角度からの評価が出ている」と紹介。「蔡英文総統の李氏に対する評価は、国民党の馬英九前総統による李氏への評価よりも高い。しかし、李氏は国民党の中でトップを走ってきたが、国民への裏切りは政治的な節操にボトムラインがないことをよく表している」と批判した。
その上で、「李氏を高く評価する声に共通するのは、総統直接選挙を実現し、自身が台湾初の民主的な総統となったことによる台湾の民主化に貢献したことだ」と指摘。「西側メディアは、李氏が台湾の主権的地位を求めたことや、台湾人意識を高めたことを評価している。しかし、李氏は民主主義と台湾独立をセットにして広めていった。台湾初の総統直接選挙のあった1996年前後は中台関係が緊張し、静かだった台湾海峡を荒波にすることで民主的な総統になった」とした。
そして、「李氏は台湾に民主主義を与えることで分裂の種をまいた」と主張。「その後、民主党は中台関係の緊張の高まりを利用して選挙で優位性を保ってきた。このような民主主義の方向は大きな誤りであり、中華民族の共通の利益に対抗する悪の道だ。台湾の分離主義勢力と欧米の反中勢力にとっての重要な腕となっている」と断じた。
また、「李氏自身はかつて中台統一を主張し、台湾独立には反対を表明していたことを認めつつも、後に台湾独立の教父と見なされるようになった。李氏による台湾の民主化の過程において目を見張るような変化があったが、今考えてみると国民党による統一路線を打破するために民主主義という方法を利用したのだ」と主張。「民主主義そのものは良いものだが、李氏による台湾式の民主主義は台湾独立という人質を取った方法だった。そのため、最近の台湾の政治の主流は純粋な民主主義ではなく、民主主義という外衣を着た『台湾独立』だ」と主張し、「中台関係が悪化し台湾海峡が不安定になったのはすべて李氏から始まっている」と非難した。
社説はさらに、「李氏の主張は完全に西側諸国の立場と台湾の一部勢力の利益から出たものであるが、欧米は李氏のことなど忘れ去っていた。李氏が死去したとのニュースが出てから最初の数時間は、西側の主流メディアでこのことを報じてはおらず、長期に渡って李氏のことを覚えていたのは台湾を含む中国人くらいだった」とも主張。「李氏は間違いなく中華民族の罪人だ。台湾の政治を大きく変えたことは中国の台頭を阻害する大きな力となり、米国が中国を押さえつける足掛かりとなって、台湾を長期的なリスクの中に陥れた」と強く非難した。
そして、「台湾独立はあり得ないことであり、中台統一こそ共通の願いである」と主張。「李氏は台湾を袋小路へ導き、歪んだ民主主義で台湾独立というその場しのぎの手助けをした。国家の統一と分裂という原則的な是非の問題において、李氏は中国人が常に悪と見なしている側に立った。この人物は中国の歴史に悪名を残すだろう」と論じた。(翻訳・編集/山中)
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