世界の穀物生産大国が輸出を中止、中国は食糧危機に陥る?―中国メディア

人民網日本語版    2020年8月7日(金) 17時40分

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今年、新型コロナウイルス感染症や蝗害、異常気象など複数の要因が重なったことで、世界の食料安全保障は極めて大きな試練に直面している。

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今年、新型コロナウイルス感染症や蝗害、異常気象など複数の要因が重なったことで、世界の食料安全保障は極めて大きな試練に直面している。国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、世界食糧計画(WFP)などの機関が共同で発表した報告書によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、世界で飢餓に苦しむ人は2020年に大幅に増加する可能性がある。今年新たに1億3000万人の飢餓人口が増え、世界中で6億9000万人が飢餓状態になるという。中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが伝えた。

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また、国連の研究報告書は、今年計25カ国が深刻な飢餓リスクに直面し、世界は少なくとも50年来で最も深刻な食糧危機に見舞われる恐れがあると警鐘を鳴らしている。

■中国に食糧危機はなし

未知のリスクを前にして、世界の多くの穀物生産大国が次々と穀物輸出の中止を発表している。もし世界の穀物サプライチェーンが本当に逼迫した場合、世界第一の穀物輸入国である中国には、おそらく起こるであろう食糧危機に対応できる十分な能力があるのだろうか?

2010年以来、中国の1人あたり穀物占有量は世界平均より高い状態が続いており、2019年には470キログラムを超え、1人あたり400キログラムという国際食料安全保障の標準ラインを上回った。三大穀物である米、小麦、トウモロコシを例に取ると、三者の国内自給率の平均は97%以上となっている。

農業農村部と税関総署のデータによると、2019-2020年度、もみの年度総消費量は約1億9700万トン、国内のもみ年度生産量は約1億9900万トンだった。米の輸入では、2019-2020年度の国内輸入は250万トンで、輸入の消費に占める割合は1.3%になるとみられ、輸入依存問題は存在しない。

小麦についてみてみると、2019-2020年度、国内の小麦年度生産量は約1億1800万トン、年度総消費量は約1億1200万トン。小麦の2019-2020年度の国内輸入は350万トン、輸入の消費に占める割合は3%とみられ、やはり輸入依存は存在しない。

トウモロコシでは、毎年の国内トウモロコシ輸入量は400万トン前後で、中国の毎年2億トン以上という消費量と比べると、輸入が消費に占める割合は3%未満となり、同様に輸入依存は存在しない。

三大主要穀物が基本的に自給できるとすれば、中国の「世界一の穀物輸入国」という呼び名はどこから来ているのか?実は、米や小麦よりも中国が本当に大量に輸入しているのは大豆と蔗糖だ。

中国人の大豆に対する需要は、実のところ主に肉や卵、牛乳に対する需要から来ている。中国は世界最大の大豆消費国であり、2020年の中国の大豆消費量は1億400万トンに達し、世界の消費需要の30%を占めるとみられる。2019年、中国では大豆輸入が国内総消費量の約84.86%を占めた。

砂糖の世界生産量トップ5を占める国・地域はインド、ブラジル、EU、タイ、中国で、その合計生産量は世界の60%を占める。データによると、2019年に中国が輸入した砂糖は国内の砂糖総消費量の25.95%を占めた。

中国社会科学院農村発展研究所研究員の李国祥(リー・グオシアン)氏は、「現在、新型コロナウイルス感染症が世界で蔓延し、中国の農産物主要輸入国のうち一部の国では感染状況が比較的深刻で、中国の輸入に影響があることは間違いないだろう」との見方を示している。

■夏季収穫穀物は豊作、「中国人の食卓」をしっかり下支え

今年に入って以来、中国の食料安全保障問題もいくつかの試練を経験した。感染症の影響がある中で、洪水と干ばつにも見舞われたことは、中国の穀物生産にどのような影響をもたらすのだろうか?

江西省彭沢県の太泊湖農業総合開発区では、災害の損失を最低限に抑えるため、江西省農業庁が毎日コンバイン7万9000台を投入して早稲を刈り取り、省全体で1254カ所のもみ乾燥センターの情報を公表して、近場のセンターでもみの乾燥を行うよう指導。また、6つの作業グループを被災が深刻な地区に派遣し、早稲の収穫ともみの乾燥を指導した。

南方地域の水害がまだ収まっていないうちに、北方地域では干ばつの被害が出始めている。7月以来、遼寧省全体の平均降水量は18.7ミリメートルで、昨年同期より62.6%少なく、中には雨が一滴も降っていない地域すらある。

干ばつが農業生産に対する影響を減らすため、遼寧省水害・干ばつ防止指揮部は干ばつ対策物資を緊急調達し、相前後して3回にわたり省全体のダムに遠隔で送水し、十分な給水を保障した。現在、遼寧省中部の盤錦や営口の水田に累計3億立方メートルの水を灌漑し、効果的に干ばつ状況を緩和している。

「先に新型コロナウイルス感染症、その後は水害と干ばつ」という状況にありながら、今年も中国の夏季収穫穀物は豊作となった。農業農村部が先ごろ発表したデータによると、今年の夏季収穫穀物生産量は1428億キログラムに上り、12億1000万キログラムの増産となり、昨年同期比で0.9%増え、史上最高を記録した。感染症の影響が続く中、夏季収穫穀物が豊作となったことで、「中国人の食卓」を支える自信と余裕が増強された。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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