人民網日本語版 2020年8月6日(木) 16時20分
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新型コロナウイルスが自分にもたらした影響がなかなか消えないと感じている人も多いかもしれない。例えば、1日に何十回も手を洗ったり、除菌シートで拭いてからでなければ、何にも触れないなどだ。
新型コロナウイルス予防・抑制対策が常態化する中、人々は少しずつ普通の生活を取り戻している。しかし、新型コロナウイルスが自分にもたらした影響がなかなか消えないと感じている人も多いかもしれない。例えば、1日に何十回も手を洗ったり、除菌シートで拭いてからでなければ、何にも触れないなどだ。そのため、自分、または家族が「強迫性障害」になっているのではないかと心配になっている人もいる。では、それらの行為は、精神病学的に言う「強迫性障害」の症状にあたるのだろうか?「強迫性障害」にはどのような症状があるのだろう?こうした問題について、北京大学第六病院の●俊(イエン・ジュン、●は門がまえに三)主任医師に取材した。中国青年報が伝えた。
イエン医師は、「強迫性には『強迫観念』と『強迫行為』の2つの症状がある。『強迫観念』とは、頭から離れない考え、表象、意向、感情のこと。これらは患者にとって現実的意義はなく、余計なものだ。それでも、こうしたことが突然頭に浮かび上がってきて、患者は自分でそれをコントロールすることができなくなってしまう。患者もそれらは自分の心理的問題だと分かっていて、やめたいと思っていても、自分ではどうすることもできない」と説明する。
イエン医師が治療したことがある「強迫性障害」の女性患者は、子供に勉強を教えている時、「なぜ、1足す1が2なのか」という疑問が頭から離れなくなったり、動物園に行くと、「どうして人間はサルから進化したのか?」という疑問が頭から離れなくなったりしていたという。こうした疑問は、科学者が証明し、研究によって定論がはっきりしているにもかかわらず、彼女は自分の考えをコントロールすることができなかった。
強迫観念のほか、強迫性には強迫行為もある。強迫行為とは、何度も繰り返される同じ外的行為、動作、内在する精神的活動のことで、患者が不快感や不安を取り除くために自ら行う行為だ。
イエン医師は、ある「強迫性障害」の患者を例にして、「鍵を閉める時のルーティンを自分で定めていた。まず、鍵を右に3回回し、ドアノブを3回押し、もう一度力を入れてドアを押すという一連の行為で『閉まった』と自分に言い聞かせなければ、そこから離れることができない。ルーティンのうち1つでも欠けると、鍵が閉まっていないと感じていた」と説明する。
そして、「強迫性には、『繰り返す』、『しつこい』という特徴がある」と総括する。
「執着心が強すぎたり、完璧にこだわったりする人は強迫性が出やすい。そのため、自分の目標や必要を適度に調整しなければならない」と指摘する。また、強迫性は、生活上のストレスにうまく対応できていないこととも関係があるといい、「自分をリラックスさせる方法を学ぶと同時に、仕事、勉強と休みの良いバランスを取る習慣を身につけなければならない。脳の過度な使用を避け、一つのことにこだわりすぎたり、何かを極度に恐れたりすることを避けなければならない。それらは、強迫性障害の予防につながる」とアドバイスする。
「強迫性障害」は精神障害の一種で、統合失調やうつ病とは全く異なるものの、一部の患者は、長期にわたって「強迫性障害」を患っていることが原因で、生活が非常に困難になり、抑うつ状態となることがある。その状況では、「強迫性障害」と「うつ病」を併発してしまい、専門の精神科医の診察や治療が必要となる。
「『強迫性障害』は、決して珍しい病気ではなく、100人に3人ほどは、『強迫性障害』になったことがある、または現在進行形で患っている。『強迫性障害』になっても、過度に心配する必要はない。積極的に治療さえすれば、70-80%は良い效果が得られ、治癒する」という。
そして、「『強迫性』がある人全てが『強迫性障害』というわけではない」と強調。「もし、強迫性が表れている時間が短く、生活に大きな影響がないのであれば、『強迫性』が出ているだけで、リラックスして気分転換すれば解決する。もし、強迫性の程度が深刻で、例えば、1日のうち1時間以上出ているなど頻度が高く、普通の生活に影響を及ぼしているのであれば専門医に相談したほうが良い」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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