人民網日本語版 2020年8月18日(火) 16時50分
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世界的なファストフードチェーンのケンタッキーフライドチキンは、味の「転換」によって消費者を魅了するのに長けた企業といえる。しかし「転換」する対象は、食品には限らないようだ。
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世界的なファストフードチェーンのケンタッキーフライドチキン(KFC)は、味の「転換」によって消費者を魅了するのに長けた企業といえる。しかし「転換」する対象は、食品には限らないようだ。
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KFCとシューズブランドのCrocs(クロックス)による業界を超えたコラボレーションで「KFC X Crocs Bucket Clog」サンダルが発売されたことに続き、同社は今回、「KFC Crave Lipstick」という名の口紅をリリース。コスメ業界にエキサイティングな嵐を巻き起こした。この口紅は、スパイシーチキンの味がするという。
口紅のフレーバーはKFCの人気商品「ホットウィング(辛口手羽先チキン)」にちなんだもので、色はフライドチキンを入れるバケットの赤を採用。この口紅には、ホットウイングとラー油から抽出した成分が使用されており、唇に塗ると艶やかに発色するだけでなく、ほのかにピリッとした刺激も感じるという。
KFCは、「革命的な全く新しい処方で、コスメ界に旋風を巻き起こしたい」としている。また、ピリ辛チキン味の口紅は、おいしいだけではなく発色も長持ちするのが特徴で、8時間たっても色落ちせず、ホットウィングを食べても口紅の鮮やかな色が落ちないという。ただし、この口紅は一般販売の予定はなく、限定400本が会員だけに無料で贈呈される。そのため、入手したい場合は会員登録を行って申込資格を取得しなければならない。このホットウィング味の口紅の無料申込受付は、今のところ中国国内では行われていない。
この口紅について、多くのネットユーザーが興味を示しているが、中には「受け入れられない」とする人もいて、「甘い味やチョコ味の口紅なら大丈夫だが、ホットウィング味の口紅なんて想像できない」とのコメントも寄せられている。
実際、KFCは数年前から、業界を超えてコスメ業界への参入をしばしば試みてきた。
たとえば、「Extra Crispy Sunscreen」というチキン味の日焼け止めクリームを販売したこともある。当時、KFCのケビン・ホックマン(Kevin Hochman)社長は、「日焼け止めの香りというと、化粧水のような香りを想像するだろう。われわれは、フライドチキンの香りがしたっていいじゃないかと考えた」と語った。このフライドチキンの香りがする日焼け止めクリームも、会員に無料で贈呈され、1人1本限定、8週間以内に送付という形をとった。この情報が発表されてからすぐに、3000本の日焼け止めクリームに予約申込が殺到、あっという間に在庫切れとなった。
またKFCは、香港で「食べても大丈夫なマニキュア」を開発したこともある。このマニキュアには天然原料が使われており、爪に塗ってから5分待てば、なめても塗布効果が落ちないというものだった。このマニキュアには、「オリジナルチキン」と「スパイシーチキン」というケンタッキーならではの2種類の「フレーバー」があった。
日焼け止めクリームやマニキュアのほか、KFCはフライドチキン味のバスジェルを出したこともある。より本物感を出すために、ジェル容器の形までチキンウィングそっくりにし、さらにはアルミホイルで包みこんだ。特記すべきは、このフライドチキン味のバスジェルを湯を張った浴槽の中に入れると、揚げ油にチキンを入れた時のようにフライドチキンの匂いが拡散することで、KFCでしか味わえないユニークなスパ体験をすることができた。
KFCが「本業そっちのけ」で、畑違いのコスメ業界にこれほどまでに興味津々な理由は一体何なのか?統計データによると、世界のコスメ業界では、数年前から市場規模が成長の一途をたどっている。ロレアルの年次報告資料によると、2019年、世界のコスメ市場規模は前年比5%増の2200億ユーロ(約28兆円)を上回った。プライスウォーターハウスクーパーズ(普華永道)は、「2021年までに、世界のコスメ業界の売上は年5000億ユーロ(約63兆円)を上回る」と予測している。
業界の枠組みを超えようとするブランドにとって、巨大規模のコスメ市場が第一の選択肢となるのは自然の成り行きといえる。とはいえ、業界を超えたマーケティングは面白みや新鮮さを生み出すことはできるものの、面白さを狙い注目を集めることのほかにも、ユーザーエクスペリエンスを重んじることも忘れてはならない。(提供/人民網日本語版・編集/KM)
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