Record China 2014年2月10日(月) 8時10分
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7日、アジア研究の第一人者である河合正弘・アジア開発銀行研究所長は日本記者クラブで記者会見し、今後の中国経済について農村の都市化が経済成長の原動力となり「底堅さを維持する」としながらも「2020年に向け6%台に減速する」との予測を明らかにした。
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2014年2月7日、アジア研究の第一人者である河合正弘・アジア開発銀行研究所長は日本記者クラブで記者会見し、今後の中国経済について農村の都市化が経済成長の原動力となり「底堅さを維持する」としながらも「2020年に向け6%台に減速する」との予測を明らかにした。また、シャドーバンキング(影の銀行)問題について、「中国の金融当局はその存在を認め、解決へ正面から取り組んでいる」と指摘、日本のバブル崩壊後の金融混乱や米国のリーマンショックと異なり、中央政府の強い権限や高い財政力などを背景にこの問題の制御は可能との見方を示した。
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中国経済は緩やかに減速しつつあるが、底堅く、GDP成長率は当面7%台を維持し、2014年は7.5%、15年は7.3%と予測している。その後、20年に向け6%台に減速する見通しだが、1人当たりのGDPが高くなるにつれ、安定成長に移行するのは自然な現象である。
中国では農村人口のうち数億人が都市への移動が潜在的に可能で、成長力につながる。例えば1億人が移動すれば1000万人級の都市が10個、2億人なら20個もできる、これが経済成長のドライバー(原動力)となる。各都市を結ぶ交通網など都市インフラの形成や、都市の高い労働生産性、都市住民の旺盛な消費などにより成長をリードするだろう。内陸部開発により内陸部住民の所得拡大、需要増大につながる。高い教育投資も生産性の上昇をもたらす。
中国経済の課題として、輸出依存型から内需型へ、投資依存型から消費型へのリバランス、国有企業や金融部門の改革、経済格差の解消、環境問題の解決などが挙げられる。国有企業は既得権を手放すかどうかの問題だが、政治闘争になるので相当困難な作業となろう。習近平政権は石油企業など国有企業の改革にチャレンジしているが、これを多方面に拡大していかなければならない。
人民元が実効ベースで2006年に比べ3割も切り上がっているので、経常収支や貿易収支の黒字が減少している。中国の対GDP貯蓄率と投資比率は50%前後に達し、他の主要国に比べ異常に高い。このような不健全な状態が継続すると金融危機に陥るリスクがある。
シャドーバンキング(影の銀行)関連の地方政府を中心とした債務は年間GDPの50〜60%に達している。中国の金融当局はその存在を認め、解決へ正面から取り組んでいる。日本のバブル崩壊後の金融混乱や米国のサブプライム問題をきっかけとしたリーマンショックと異なり、中央政府の強い権限や高い財政力などを背景に、この問題の制御は可能だろう。
米国経済は着実に回復しているが、住宅関連や銀行融資など足元の経済指標は鈍化、成長加速のシナリオに陰りが出ている。FRBによる超金融緩和の縮小は脆弱な新興国経済を直撃している。ユーロ圏は低インフレ、銀行の不良債権問題など、かつての日本の長期デフレ状況に似ており、長期停滞のリスクがある。(取材・編集/HY)
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