人民網日本語版 2020年9月8日(火) 11時0分
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ここ数年、見た目がよく、機能に優れ、社交的な属性が高いネットで人気の小型家電が、オンラインマーケティングを通じて徐々に売り上げを伸ばしている。資料写真。
ミニ炊飯器、1人用のヘルスポット、小型洗濯機、ヨーグルトメーカー、ノンフライヤー…ここ数年、見た目がよく、機能に優れ、社交的な属性が高いネットで人気の小型家電が、オンラインマーケティングを通じて徐々に売り上げを伸ばしている。従来の家電メーカーも小型家電の新ブランドも、インターネットに目を向け、ネットワークの「急行車線」を走るのが家電産業の共通の選択となっている。人民日報海外版が伝えた。
■小型家電市場が人気爆発
北京の企業で働く90後(1990年代生まれ)の陳薇(チェン・ウェイ)さんは最近、自分で朝ご飯を作るのが習慣になった。新しく購入した朝食メーカーを利用すれば、3分でホットサンドを作り、1分で卵を焼き、ジューサーでジュースをしぼり、栄養満点の朝ご飯ができあがるという。「こうやって朝ご飯を作れば、時間がかからないだけでなく、健康的で安全だし、こだわりのある暮らしをしたいという願いもかなう」と陳さん。
朝食メーカー、ジューサー、ヘルスポット…従来の冷蔵庫、エアコン、洗濯機といった暮らしに欠かせない大型家電に比べ、こうした機能が細分化した小型家電が最近、ますます多くの消費者の間で人気となっている。小型家電は暮らしの中の細分化された場面に焦点を当て、特定の層のニーズに応えている。特に新型コロナウイルス感染症が「おうち経済」に火をつけると、こうした小型家電のSNS、ライブ配信、動画配信プラットフォームでの「出演率」が非常に高くなり、「ネット小型家電ブーム」を引き起こした。
ネットで人気の小型家電は、実際どれくらい人気があるのか。1組のデータがよく証明してくれる。全国家庭用電器工業情報センターが作成した「2019年中国家電業界年度報告」によると、19年の中国の大型家電製品の累計輸出額は257億2100万ドルで前年比1.01%減少した。一方、小型家電製品の累計輸出額は324億ドルで同6.24%増加した。感染症の影響で、今年第1四半期(1-3月)には大型家電と据え付け型家電の売上高は減少幅が拡大したが、小型家電の減少幅は小さく、一部の代表的メーカーには売上高が大幅に増加したところもある。例えば小熊電器の同期売上高は同17.32%増加し、新宝電器の同期売上高は同4.05%増加した。また、阿里巴巴(アリババ)が発表したデータによると、今年第1四半期のキッチン用小型家電の売上高は139億元(約2154億5000万円)に達し、同15.8%増加した。
市場の活況がより多くの小型家電の誕生を促した。ここ数年、キッチン・バス・トイレ、個人用スキンケア、生活シーンに対応した小型家電の新製品が次々登場している。例えば老舗キッチンツールブランドの九陽が、最近はジューサー、ノンフライヤー、フードプロセッサーなど一連の小型家電の新製品を発売した。九陽ECセンターの潘志峰(パン・ジーフォン)製品運営ディレクターは、「容量が小さく、見た目がよく、操作が簡単で、収納も楽なキッチン用小型家電がここ数年、大人気となり、使用する場面もどんどん広がって、キッチンからリビングへ、オフィスからホテルへ、家の中から旅行先へと広がっていることに気づいた。消費者の使用に際しての嗜好の変化に常に対応していきたい」と述べた。
■ネットで人気の小型家電はなぜこれほど人気?
業界の専門家は、「ネットで人気の小型家電の流行は現代の人々の暮らしの中でうまれた新しいニーズ、新しい変化によりよく応えるものだ」との見方を示した。
速さと特定の用途——小型家電は特定の使用場面と特定の層に焦点を当てる。例えば多機能ホットプレートは、焼く、煮る、あぶる、炒める、蒸すなどの機能を一体化し、1人分から2人分の容量で、火を使えず、キッチンが狭い消費者にぴったりの商品だ。スチーマーは多くのメーカーから、携帯式、コードレス式、ダニ除去ができ、殺菌消毒ができるもの、出張や旅行に持って行きやすいものなどが出ている。1人用の電気ランチボックスは、コンセントに差し込めばすぐに加熱し、小型で持ち運びしやすく、サラリーマンにぴったりだ。ミニ洗濯機は、場所を取らず、十分な機能があり、賃貸で一人住まいの若者にふさわしい。
商品の種類がどんどん細分化している。キッチン家電の場合、これまでの電気炊飯器、電気ポットからホットサンドメーカー、電気マグ、豆乳メーカー、ミキサー、コーヒーメーカーへと細分化し、キッチンのあらゆる場面をほぼ網羅する。天猫(Tmall)のキッチン家電業界運営担当者の朱明●(ジュウ・ミンシュエン、●は王へんに旋)さんは、「ここからわかるのは、キッチン用品に対する人々のニーズは今や最も単純で基礎的な機能だけに限らなくなったこと、より専門的で多様な方向へと発展していることだ」と述べた。
見た目がよく、雰囲気があること——商品のデザインがより重視されるようになった。たとえばある折りたたみ式スチーマーの場合、ブルーの丸みを帯びたデザインで、かわいらしいロボットのようにみえる。多くのブランドが外観によく知られたイメージキャラクターをあしらって、消費者の関心を呼ぼうとしている。
オンラインで、「種草」を利用する——商品はオンラインでのマーケティング、ターゲットを絞り込んだマーケティングを重視する。若い層に的を絞り、インターネットのオンライン販売ルートを占領するというのが、多くの商品の主なマーケティング戦略だ。小熊電気を例にすると、オンライン業務が売上全体に占める割合は90%に上る。感染症対策期間中には、オンラインに集中する流れが一層明確になった。微博(ウェイボー)、小紅書、ショート動画共有の抖音(TikTok)などのプラットフォームでは、ネットで人気の小型家電に関する「種草」(ネットユーザーがネットで商品情報を共有したり商品をすすめたりして、見ている人の購買意欲をかき立てる行為を指す)が頻繁に見られ、ライブコマースはネットで爆発的な人気を獲得するたくさんの商品の登場を後押ししている。
上海法律・金融研究院の劉遠挙(リウ・ユエンジュー)研究員は、「小型家電は現代社会のますます小規模化する世帯構造により適しており、資源の無駄も防げる。より多くの『90後』の層が働くようになり、独立して生活するようになり、彼らが新しい美意識とより高い消費能力を身につけるようになると、こだわりのある商品を購入して自分の個性と暮らしへの向き合い方を示す傾向が一層高まるだろう」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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