論争を巻き起こした中国の異色オーディション番組が最終回

人民網日本語版    2020年9月8日(火) 15時40分

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中国のオーディション番組「乘風破浪的姐姐」が4日夜、最終回を迎えた。

中国のオーディション番組「乘風破浪的姐姐」が4日夜、最終回を迎え、寧静(ニン・チン)や万茜(レジーナ・ワン)、李斯丹●(ダニー・リー、●は女へんに尼)、孟佳(モン・ジア)、張雨綺(キティ・チャン)、郁可唯(イーサ・ユー)、黄齢(ホアン・リン)の7人がグループとなって「デビュー」することが決まり、「風に乗って」やって来た30歳以上の女性芸能人たちの「波瀾に満ちた夏」が終わった。同番組では、出演した女性たちが、その豊富な経験や美しさを披露し、大きな話題となったものの、落選者を決める方法に疑問の声が上がるなど、回を追うごとにレビューは低くなり、大きな話題を呼んだこのオーディション番組は論争を巻き起こしたまま最終回を迎えた。

「乘風破浪的姐姐」は湖南衛星テレビが放送するオリジナリティーあるオーディション番組で、30歳以上の女性芸能人30人がトレーニングを受け、その中から最終的に選ばれた7人が「アイドルグループ」としてデビューするという内容だ。

番組放送開始に先立った宣伝・PRもなく、6月12日に配信された初回に、女性芸能人30人が突如登場。視聴者は、魔法にかけられたかのように夢中になった。初回の配信が始まると、再生回数は1億2200万回に達した。最近、爆発的ヒットとなるバラエティー番組が少なかったため、このような現象は全くの「異例」だったということが言えるだろう。

どうにかして売れたいと思っている人が登場する普通のオーディション番組とは異なり、すでに芸能界で長年活躍している30人の女性はさっそうとしていて自信にあふれ、機転を利かせたり、寛容な態度を示したりと、視聴者は新鮮、かつ親しみを感じながら見ることができ、テレビの画面にかじりつくようになった。

特に、多くの女性は、「彼女たちを見ていると、歳を取ることが怖くなくなった」と、感慨深い声を上げるようになり、注目を集めた。

ところが、回を追うごとに、この大ヒット番組が議論を巻き起こすようになった。

まず、ルックスがパーフェクトではなく、人気に欠ける女性芸能人が早い段階で落選し、その後は、30歳以上の女性芸能人それぞれの得意分野のスキルに焦点を合わせるのではなく、難度が上がっていく歌やダンスばかりに注目が集まるようになった。そのため、それら女性が「青春真っ只中の少女」にならなければ「アイドルグループ」としてデビューすることはできず、かえって30歳を過ぎた女性であることが滑稽に感じられるような印象を視聴者に与えてしまった。

中国中央テレビ(CCTV)は以前、同番組を、「番組設定に矛盾がある。実際は出演女性らが基準に順応しなければならず、彼女らのために基準を作っているのではない」と指摘していた。知名度や人気度の投票が行われるため、歌やダンスが得意ではなくても、視聴者に人気があるというだけで決勝ラウンドに進むことができる。韓国でアイドルグループMiss Aのメンバーとしてデビューした王霏霏(ワン・フェイフェイ)が最終メンバー7人に選ばれなかったため、ファンからは「納得できない」との声が続々と上がった。出演女性らがこれまで積み上げてきたものに全く目を向けず、「アイドル」としてのこれまでの基準で誰が生き残り、誰が落選するのかを決めるというスタイルを見ると、同番組は方向性を失ってしまったと言わざるを得ないだろう。話題の熱こそまだ冷めていないものの、同番組はその売り文句だった「無上の価値を誇る女性芸能人」という価値観からはかけ離れてしまい、視聴者は期待していた「無上の価値を誇る女性芸能人」を目にすることもできなかった。

それでも、風に乗ってやって来た女性芸能人たちはパワーあふれる美しさを披露してくれ、その継続して努力する姿は依然として、頑張って仕事をしている人たちに、プラスのエネルギーを伝え続けてくれた。23人の女性が最終的に「波を突破」できなかったのは、選抜スタイルに問題があったほか、その背後に様々な現実的要素もあり、無念さが残る結果となってしまった。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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