Record China 2020年9月12日(土) 12時30分
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韓国の先端技術を扱う人材を引き抜く中国企業の動きがますます活発化。年俸3、4倍などに加え、子どもの名門大学入学保証などの好条件も提示されている。中国の海外人材向けの就職活動
半導体、ディスプレー、バッテリーなど韓国の先端技術を扱う人材を引き抜く中国企業の動きがますます活発になっている、と朝鮮日報が報じた。米国との対立激化で「技術自立」を目指しているためとみられ、年俸3、4倍などに加え、子どもの名門大学入学保証などの好条件も提示されているという。
同紙によると、韓国からの技術・人材を確保しようとする中国の動きは今に始まったことではないが、最近はその動きが一段と強まっている。これまではヘッドハンターなどを通じ、ひそかに人材を採用する方式だったが、今では堂々と求人サイトで募集をかけている。
今月1日現在で求人サイトには半導体エッチング工程技術者(次長・部長クラス)、半導体熱処理工程の経歴者、OLED(有機発光ダイオード)中間体材料研究開発(役員クラス)、自動車パワーバッテリーシステム開発(部長クラス)などの募集が掲載されている。勤務地は全て中国だ。
中国のバッテリーメーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)は昨年7月、大規模な採用を行い、韓国の人材を対象にそれまでの年俸の3、4倍という破格の条件を示した。部長クラス以上には税引き後で3億ウォン(現在のレートで約2700万円)に達する年俸を提示したとされる。子女のインターナショナルスクール入学や清華大など名門大学への入学を保証するなどと言って接近する例もある。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)によると、昨年の韓国の頭脳流出指数は4.81。世界30位だ。米国(6.86)、ドイツ(6.06)、イスラエル(6.22)よりも低いが、指数が低いほど人材流出が激しいことを示している。警察庁によると、2014~18年に海外に流出した産業技術と企業秘密71件のうち、中国への流出が全体の68%の48件を占めた。
朝鮮日報は技術人材の露骨な引き抜きの背景として「業界は中国がそれだけ焦っていることの証しだと受け止めている」と報道。「米政府は華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国のハイテク企業数十社をブラックリストに登録し、米国企業との取引を禁止した。中国は2025年までに半導体の自給率70%を達成する『半導体崛起(くっき。抜きんでる意味)』を夢見ているが、米国などのけん制で現在の自給率は15.7%にとどまっている」と伝えた。
中国の動きについて、韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン常務は「職業選択の自由があり、技術人材の移籍を無条件で阻止することはできないが、重要技術の保有者を国家が率先して保護する仕組みが必要だ」と指摘。科学技術政策研究院のペク・ソイン副研究委員は「国家安全保障技術の基準をさらに強化するなどの対策を通じ、先端技術と人材の流出を防がなければならない」と提言した。(編集/日向)
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