人民網日本語版 2020年9月18日(金) 17時20分
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毎日お昼になるとスケート場に来てフィギアスケートをしている姫凱峰さん(75)は、報道されて人気者になってからは、以前のように「姫おじいさん」ではなく、「ローレンス」と呼ばれるようになった。
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毎日お昼になるとスケート場に来てフィギアスケートをしている姫凱峰さん(75)は、報道されて人気者になってからは、以前のように「姫おじいさん」ではなく、「ローレンス」と呼ばれるようになった。それでも、当の本人は「ローレンスって誰か知らないし、外国語の名前で呼ばれるのは好きじゃない。『姫おじいさん』でいいよ」と話す。中国新聞社が伝えた。
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姫さんはこれまで21年間、雨の日も風の日も、毎日正午になると、スケート場に顔を見せる。姫さんは以前、北京市の南郊外にある大興区に住んでおり、スケート場まで車で往復3時間も要していたが、その習慣が途切れたことは一度もなかった。
数カ月前、メディアの目に留まり、ネット上で報道されると、姫さんはスケート場の人気者となった。そして、メディアがひっきりなしに取材に訪れるようになった。スケートに集中できなくなるのは嬉しくないことではあるものの、それでも姫さんはこれまで通り、お昼になると白のTシャツにグレーのズボンというお決まりの「ユニフォーム」に、重みのあるスケート靴を入れた紺色のボストンバッグを抱えて、スケート場に登場する。
「ずっと一人で来ており、友達もあまりいない。でも、リンクの上に立つと、『自分の庭』に来た気分になる」と姫さん。スケート場のスタッフで姫さんを知らない人はいない。21年間、スケート場のスタッフはずっと入れ代わり立ち代わりを繰り返してきたが、姫さんは、まるで常緑樹のように、このリンクに立ち続けている。
実際のところ、姫さんのスケートが特別素晴らしいというわけではない。8歳の時から、スピードスケートを学び始めたが、年を取ってからは、スピードを追求する体力がなくなったため、フィギュアスケートの練習をするようになった。
姫さんは難易度の高い滑りをできないことなど全く気にしていない。姫さんにとって、スケートは運動するための方法に過ぎないからだ。ヘッドホンを装着すると、姫さんは自分の世界に浸り、それを楽しみ、思う存分満足することができるのだという。
報道を見て、たくさんの人が姫さんを一目見ようとスケート場にやってくるようになった。
湖北省武漢市からはるばる北京にやって来た呉さん(女性)もその一人で、ホテルに荷物を置きに行く時間も惜しんで、姫さんに会いにスケート場にやって来た。自身のファンであることを知った姫さんは呉さんを温かく迎え、自分のスケートの技術をできるだけ伝えようと、熱心に教えていた。そして、別れ際には、自分の扇子を彼女にプレゼントした。
以前、報道を見たある女性が、「スケートを教えてやってほしい」と娘を連れて姫さんのもとにやって来たことがある。姫さんは、「北京冬季五輪に貢献しているんじゃないだろうか?もしそうなら、僕は本当にすごいよな」と話す。姫さんという人はそんな風に自信に満ちているのだ。
姫さんは毎日、規則正しく、充実した生活を送っており、朝は自宅で絵を描き、お昼になるとスケート場へ行き、午後は家事をして、夜は自宅でテレビを見ているという。新型コロナウイルス流行期間中、スケート場が閉鎖され、姫さんはその間もじっとすることはできずに、縄跳びをしていたという。
姫さんの妻も母親も姫さんがスケートをするのを応援していてくれていたものの、二人とも既に亡くなってしまった。そして、最愛の息子も、30年前に先天性の心臓病で亡くなってしまったという。
スケート場には、姫さんの写真集やこれまでの大会で獲得したメダルなどが飾られている。若い時、姫さんはカメラマンをしていた時期があり、1972年から2019年までのいろんな思い出のシーンが写真集に詰まっている。しかし、そこに家族の写真は一枚もない。スタッフによると、家族が亡くなるたびに、姫さんは「見ると悲しくなる」と言って、その遺品を処分してしまうのだという。
しかし、周囲の人は、「姫さんが悲しそうな顔をしているところをほとんど見たことがない」と口をそろえる。姫さんが時々、亡くなった妻のことについて語る時も、とても穏やかな口調だという。生きている限り、生老病死という自然の営みから逃れることはできない。そしてスケートリンクに立てば、姫さんの顔に浮かぶのは微笑みだけだ。
ここ数年、姫さんは英語も独学しており、誰かに会うと、英語を話して、「僕が何と言ったか分かるでしょ?」と聞いている。そんな姫さんの口癖は「happy and lucky」で、「スケートが精神的な充実感をもたらしてくれた。このような楽しみを得ることができたことは幸せな事で、とても幸運」と話す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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