Record China 2014年2月27日(木) 0時24分
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26日、ウーマノミクス(womenomics)という新語は、「women」と「economy」を組み合わせて誕生した。この新語はアベノミクスと同じく、日本の政治辞書の重要単語とされている。写真は家政婦派遣会社で指導を受ける大学新卒者。
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2014年2月26日、ウーマノミクス(womenomics)という新語は、「women」と「economy」を組み合わせて誕生した。この新語はアベノミクスと同じく、日本の政治辞書の重要単語とされている。この言葉は簡単に言えば、家庭を守っていた多くの日本人女性を職場に再復帰させ、日本の低迷する経済に活力をもたらすことを指す。広州日報が伝えた。
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文化や政策などの原因により、日本人女性の就職が進まず、多くの女性は結婚後に家庭に戻ることを選択するか、それを余儀なくされている。安倍首相のウーマノミクスは、いかに女性の活力を引き出し、根深い企業文化と社会の態度を変えるのだろうか?安倍首相はこの革命を起こせるだろうか?
◆当初はゴールドマン・サックスが提唱
ゴールドマン・サックスのアナリストのキャシー・松井氏は1999年、ウーマノミクスという概念を提唱した。松井氏のウーマノミクスは、15年後に安倍政権の経済政策の重要な内容となった。ゴールドマン・サックスは2010年、「ウーマノミクス3.0:直ちに行動を」と題する報告書を発表した。
同報告書は、「日本の国内総生産(GDP)を15%増やす簡単な方法がある。それは多くの日本人女性を働かせることだ。日本人女性の就職率は記録的な60%という高水準に達しているが、男性の80%との間にはまだ大きな開きがある。仮に女性の就職率も80%にすれば、日本の就業者が820万人増加し、GDP成長率も15%に達する」と分析した。
◆女性の雇用を促す安倍首相
安倍首相はさまざまな場において、「女性の労働力は十分に活用されてこなかった資源だ。女性が就業の『ガラスの天井』を破ることを奨励する」と発言している。
安倍首相は2012年の衆院選で、男女平等の促進を約束し、女性の重用が自民党のマニフェストに盛り込まれた。安倍首相は就任後に2人の女性大臣を起用、さらに昨年11月29日に日本の内閣としては初の女性の首相秘書官を起用し、宣伝や女性政策などの活動を担当させた。
◆保育施設の増加、育児休暇の延長
2012年に実施された調査によると、保育施設に入れない待機児童は2万5000人に達している。安倍首相は、保育所の数が不足し、女性が安心して仕事に励めないことから、専業主婦が増加していると考えた。そこで安倍首相は発展戦略の中で、5年間をかけ保育施設を40万人分増やし、待機児童数がピークに達すると予想される2017年に、全員が保育園に入れるようにするという目標を打ち出した。日本政府はそれまで、2019年に実現するとしていたが、この計画を2年間前倒しにした。
女性の雇用を支援する政策面で、安倍首相は企業に対して育児休暇を自主的に3年まで延長するよう提案している。企業は現在、子供が1歳半になるまで育児休暇を取ることを認めている。安倍首相はさらに上場企業の役員に少なくとも一人の女性を起用するよう求めている。経済界はこれに対して検討可能と表明しているが、育児休暇の延長については強い反発を示している。
◆深刻な男尊女卑が障害に
経済協力開発機構(OECD)は2012年12月17日に、「ジェンダー・フォーラム」の報告書を発表した。先進34カ国のうち、日本の40歳以上の男女の給与格差が40%に達し、韓国に次ぐ2位となった。上場企業の女性役員の比率はわずか5%と、加盟国の中で最低となった。
2012年にダボス会議で発表された「ジェンダーギャップ」の報告書によると、日本は男尊女卑が深刻で、調査対象となった135カ国のうち101位となり、先進国の間では最下位になった。同報告書は、「企業の管理層のうち男性が圧倒的多数を占めている。これは日本人女性が社会の中でリーダーシップを発揮する権利をまったく持たないためで、自身の権益を確保できなくなっている」と指摘した。また日本人女性の政治参加率も、工業国の中で最低となった(世界190カ国中で109位)。
◆男性主導の現実
現実の中で、ウーマノミクスを重視している日本企業はほとんどないようだ。
安倍首相は昨年4月、経済3団体に対して、上場企業の役員のうち1人は女性を起用するという目標を設定するよう呼びかけた。総理大臣官邸から得た情報によると、今月上旬までこの呼びかけに応じた企業は1社も存在しない。ウェスタンケンタッキー大学の社会学部准教授の根本宮美子氏は、「これは驚くべきことではない、安倍首相は本気になっていないからだ。安倍首相の発言は、日本の世界的な名誉を改善する上で役に立つ手段だが、何かを解決する具体的な政策を一つも講じていない」と指摘した。一橋大学OBの根本氏は、「(日本の)経済界は保守的で高齢の男性に握られており、自分の特権を手放そうとしない」と語った。
◆既婚女性、被扶養者に
OECDは日本人女性の職場における地位が低い原因について、「日本人女性は出産後にフルタイム勤務が困難になり、多くが低賃金のパート・アルバイトに従事している。また日本政府は税制および福利厚生などの面で、女性を被扶養者としている。これは客観的に見て女性の就職の権利を奪っており、日本の男女間の給与格差を拡大した」と分析した。
◆女性の有業率と月給が記録更新
25−39歳の日本人女性は、結婚や子育てなどの理由により職場を離れることが多かったが、この状況にはやや改善が見られる。調査によると、25−39歳の女性のうち、有業率(仕事に付いている割合)が過去最高の69.8%に達した。多くの女性は家庭の収入を増やすため、出産後も職場に残り働き続けている。
厚生労働省が実施した調査によると、フルタイム勤務の女性の2012年の平均月給は、前年比0.5%増の23万3100円となり、2年連続で記録を更新した。男女間の給与格差も、過去最低水準まで縮小されている。
これと同時に、日本人女性の独立意識が高まり続けている。2013年には数人のおばさんが「全日本おばちゃん党」を結成し、フェイスブックで活動を展開している。彼女たちは、「男の政治の時代は終わるべき」としており、女性の政治的議論への参与を主張し、男性の指示に従い投票に行く必要はないとしている。全日本おばちゃん党は「両手を使い両立することが重要」、「おせっかいは重要」、「自分で低い姿勢になるのはいいが、他人を軽蔑してはならない」としており、家庭のために仕事や興味を失わないよう女性に訴えている。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)
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