Record China 2020年10月8日(木) 19時20分
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中国のニュースサイト・観察者網に6日、日本に4年間留学した中国人が考察した、日本人の中国と韓国に対する意識に関する文章が掲載された。
文章の著者はまず、新型コロナウイルスの流行初期に、日本から中国各地に「山川異域,風月同天(山川域を異にすれども、風月天を同じくす)」といった監視が添えられたマスクなどの医療物資が送られたことが、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)などで次々とホットワードになり、中国人の日本に対する好感度がこれまでにないほど高まったと説明した。
一方で、「日本政府と民間の善意には心からの感謝を示すべきだが、韓国からも少なくない支援を受けたにもかかわらず、その注目度と感謝の度合いは日本に対するそれと天と地ほどの差だった」と指摘。自身が日本で留学した時の経験から、日中韓を取り巻く状況と互いに対する意識について論じた。なお、但し書きで「(自身が)日本で接した日本人はほとんどが校内の若い世代だった」としている。
■日本人は中国よりも韓国が好き
同著者は「私の周りにいた日本の同年代の人々の中国という国に対する認識は、国家というハードの面においては、中国は大国だというものだった。これは中国の実力を認めているということだろう」とし、「中国と良好な関係を築くという点において、比較的前向きな共通認識を持っている」とした。
一方で、ソフトパワーにおいては「日本の若者は明らかに韓国に対してより強い好感を持っている」と指摘。「韓国人はおしゃれで面白く、韓国旅行にも積極的。中国に対する態度と真逆だ」とし、「(中国に対しては)中国人の素養は低く、金持ちだがダサいといった印象が強い。彼ら(日本の若者)の認識では、中国の環境はひどく、道路が頻繁に爆発や崩壊しているのだ」と続けた。
そして、「中国国内で最も発展している都市である」上海に留学した日本人女性が出発前に友人や家族からかけられたのが「祝福」の言葉ではなく「心配」の言葉だったというエピソードを挙げ、「彼らは中国が危険な場所だと認識している。彼女はその後、ベトナムやフィリピンに旅行に出かけたが、家族から心配はされなかったそうだ。この対比から、彼らの頭の中で中国がいったいどういうイメージなのかが推察できる」とした。
このほかにも、周囲の若い日本人女性は韓国の化粧品やアイドルグッズを好んで購入する一方、中国製品については軽蔑と嘲笑の目で見ていたと説明。また、内閣府が2019年に行った調査で、「中国に親しみを感じない」と回答した割合が74.9%とロシア(76.2%)に次いで2番目に多く、韓国(71.5%)よりも高かったことに触れ、「昨年は日韓に多くの摩擦が発生し、日本人の韓国への好感度が大きく下がった。一方で、中国への好感度はわずかに上昇したが、それを受けてこの結果である」と補足した。
■日中の人々の相手への評価が真逆なのはメディアの「功績」
同著者は、中国人の日本への好感度は年々上昇しており、19年は50%に迫る勢いだったと説明した上で、「一方の好感度は上昇し、もう一方では依然としてマイナスのイメージが根強い。なぜ日中両国民の互いの評価にこれほど差があるのか」と疑問を提起。その答えとして、日中両国のメディアの「功績」があると指摘した。
そして、「近年、微博やbilibili(ビリビリ。中国の動画共有サイト)、抖音(中国のTikTok)など、多くのセルフメディアのアカウントが日本人の中国や中国人に対するポジティブな評価を好んで伝えてきた。しかし、この数年日本で生活し、雑誌やネットニュースのコメントなどを見てきた私の経験から、(そうした)中国や中国人に友好的なコメントは選びに選んだ上の結果(※数が非常に少ないことを指している)だ」との見解を述べた。
さらに、日本のメディアの報道は「(中国を)たたくことが目的で確かな根拠がないもの」「客観的かつ中立に見えて、読者を悪い方へリードしていくもの」「実質的かつ客観的に中国の発展を伝えるもの」の3種類に大別されると解説。3つ目は、数が最も少ないとする一方、近年は増えつつあるとも説明した。
また、コロナ禍の報道について、日本では「最初に流行した株が欧州由来だとされたにもかかわらず中国人に罪を着せる」ものや、「中国人が日本でマスクを買い占めていると煽り立てる」ものがあふれていたのに対し、中国では皮肉なことに「日本のドラッグストアが中国を応援しているといった報道が狂ったようにされていた」と主張した。
このほか、日本で中国、韓国、北朝鮮を表現する「特ア(特定アジア)」という言葉があることなどを挙げ、「もし日本で長年生活して日本メディアの薫陶(くんとう)を受け続けていれば、私も中国に対する負の感情にあふれることだろう」とした。
■日中友好への期待は…
同著者は、上記内容を「日本社会の中国に対する全体的なイメージと世論の縮図」とする一方で、日常生活における人と人との交流については異なる状況もあると説明。自分が中国人だと明かした時に日本人からかけられた印象深い言葉として、「私、ルハン(鹿[日含])とロンジュン(黄仁俊)とワン・ジュンカイ(王俊凱)が好きで中国語の勉強を始めたの」「中国は昔、日本の先生だったんだよね」「え?中国人?見た目日本人と変わらないね」「きみも『荒野行動』(※中国のゲームアプリ)やってる?」「中国のITはすごいよね。TikTokみたいに世界を席巻するアプリがあるんだから。モバイル決済も普及してるし、すごいね!」といったものを挙げた。
その上で、「人付き合いの中でかけられたこうした友好的な言葉も、実際に触れた日本の真実の一面。(これらの言葉を)初めて会った時の社交辞令と言う人もいるかもしれないが、その後の生活の中で日本人の友人が私にしてくれた気遣いは確かに存在したものだった」と論じた。
そして、自身がかつて日本文化が好きで日本留学を選んだものの、その後期待が打ち砕かれたため「日中友好を望んでいないわけではないが、軽々に口にできなくなった」と説明。その原因として、日本のメディアによる中国や韓国へのネガティブな報道や、そうした内容を好んで読む読者の存在があるとし、「この悪循環は中国にはコントロールできない」とした。
また、もう一つの原因として「韓国と比較して日本への中国文化の輸出がまだ弱く、ポジティブなイメージによってネガティブなイメージを中和しきれていない」ことを挙げ、米国のハリウッド映画、ディズニー、ケンタッキーなどを例に、「ゲームや映画、アプリ、芸能人などのソフトパワーが発展すれば、友好を強調しなくても相手は自然に近づいてくる」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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