北朝鮮から首都圏を守る韓国のミサイル事業が全面中断=「韓国軍の対北朝鮮戦力に穴」と懸念の声

Record China    2020年10月20日(火) 7時20分

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16日、韓国・東亜日報は、韓国政府が今年中の実戦配備に向け進めていた韓国型戦術地対地ミサイル事業が、延期になったと報じた。資料写真。

2020年10月16日、韓国・東亜日報は、韓国政府が今年中の実戦配備に向け進めていた韓国型戦術地対地ミサイル(KTSSM)事業が、延期になったと報じた。

記事によると、KTSSM事業は、首都圏を脅かす北朝鮮の長射程砲を無力化させる目的で推進されており、国防科学研究所(ADD)やハンファは今年1月に技術開発を終えていた。しかし昨年2月に発生した開発試作品製造工場の爆発事件により、製品の量産に着手できずにいるという。さらに、今年2月からは監査院がKTSSM事業の監査に着手し、開発事業が全面中断された。現在、監査院は2018年に完了した「KTSSM事業妥当性評価」に問題がないか調べているという。

今年を目標に推進してきたKTSSMの実戦配備は23年以降に延期され、「韓国軍の対北朝鮮戦力に穴が生じる」と懸念する声も出ているという。

KTSSM事業は10年11月の北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件を受けて、これに対応する兵器の開発から始まった。当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が直接事業の着手を指示し、事業名は「稲妻事業」に決定。KTSSMは最大180キロ離れた標的を誤差範囲1、2メートル以内で打撃できるように開発された。軍によると、開発に約360億ウォン(約33億740万円)が投じられ、非武装地帯(DMZ)付近に集中的に配備された北朝鮮の長射程砲坑道陣地を突破・破壊できるとされている。

これを受け、韓国のネット上では「金正恩(キム・ジョンウン)委員長の顔色をうかがっているから、文大統領の任期中には無理だと思う」「どうせ大統領は言い訳を並べて再開しないはず」などと予想するコメントや、「(文大統領の)終戦宣言よりこういった安保の空白の方が怖い」「こんな状況で何が自主国防、米軍撤収だ」など安保を心配するコメントが多く寄せられている。

また「監査院が中断指示を出したってことは何か理由があるはず。よく分からないけど、韓国には技術がないのだと思う」「他国に支援も受けられず、成功させようとしてないのかな」など推測する声も上がり、中には「それよりも放射砲を防ぐ方法を考えた方がいい」「(韓国も)核開発をすべき。5000発もある(と言われている)長射程砲をどうやって防ぐの?」と訴える声も見られた。(翻訳・編集/松村)

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