Record China 2014年3月13日(木) 0時49分
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「マッチ売りの少女」ならぬ「WiFi売りの少年」という不思議なニュースが報じられた。2014年1月23日、南方都市報が伝えている。写真は中国の長距離列車内で無線LAN接続を利用する女性。
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「マッチ売りの少女」ならぬ「WiFi売りの少年」という不思議なニュースが報じられた。2014年1月23日、南方都市報が伝えている。
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旧正月の帰省で混み合う列車。その車内で無線LANの利用権を売るという商売を始めた19歳の少年がいたという。モバイルルーターを使って自分のノートパソコンをインターネットに接続。そのノートパソコンをルーターにして他の乗客のパソコンやスマホにネット接続させたのだとか。利用料は20KB/sなら1時間10元(約170円)、50KB/sなら1時間15元(約250円)、100KB/sなら1時間20元(約340円)と速度ごとに料金が違う。このちょっとした商売でなんと500元(約8400円)ものお金をゲットしたのだとか。今時信じられないぐらいの遅い回線スピードだけに購入した乗客が暇つぶしできたのだろうか。
ちなみに鉄道当局は列車内で勝手に販売することは許されないとコメント。ネットユーザーも、暇つぶしの手段を提供したのだからあり、勝手に列車内でサービスを売るのはなし。回線遅すぎぼりすぎうんぬんと議論し、ちょっとした話題となっていたようだ。
■動画ファイルサーバー搭載の普通列車
そして今、「WiFi売りの少年」を駆逐する大ニュース(?)が話題となった。湖南省長沙市発の普通列車23編成に無料WiFi設備が搭載されたと報じられたのだ。新幹線ならいざしらず、普通列車に無料WiFiがついているとは半端ない!と大盛り上がり。
と思いきや、皆さんの盛り上がりは勘違いですよと青年報が報じている。確かにWiFiが設置されるのだが、そこに接続してもインターネットにはつながらず、列車のサーバーにアクセスできるだけ。基本的には旅行ガイドや時刻表、レストラン案内、動画サービスが見られるだけだという。
だがこのサービス、中国人的には「けっ、使えない」の一言で終わるサービスだが、日本人的には半端なくすごい機能が用意されている。実はこの動画サービス、200本もの映画が見放題だというのだ。飛行機の座席ごとのスクリーンの感覚で映画が見られるようなイメージだろうか。その映画の権利はちゃんと確保しているのか、学生寮でサーバーを立ち上げて海賊版映画をシェアしあう感覚なんじゃないの、とかつっこみたくなるが、ともかくすごいサービスである。日本の通勤電車にもぜひこのサービスを採用して、自分のスマホで朝のニュースを見られるようにしてくれたら…と願っている。
ただ中国人的にはいまいち使えないというのは理由がある。中国動画共有サイトのスマートフォン・タブレットアプリにはだいたいダウンロード機能が用意されている。外出中にも快適に動画が見られるように、みんな自宅で動画をダウンロードしておくのだ。スマホを持っている人間ならば旅行前にはだいたいしこたま映画やドラマをダウンロードしているので、いまさら列車内に動画サーバーが用意されたぐらいでは心に響かないのであった。
◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)
翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。
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