Record China 2014年3月20日(木) 21時22分
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20日、「ノーベル賞候補」とされていた細胞生物学者・小保方晴子さんのSTAP細胞をめぐる論文に、捏造疑惑が出ている。写真は小保方さんの論文とJ.Guo氏の論文の比較、赤文字が一致する部分。
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2014年3月20日、聴覚障害がありながら「絶対音感」を頼りに作曲活動をし、「日本のベートーベン」と呼ばれていた佐村河内守氏をめぐり、重度の聴覚障害が偽りだっただけでなく、曲もゴーストライターの代作によるものと発覚した。また、「ノーベル賞候補」とされていた細胞生物学者・小保方晴子さんのSTAP細胞をめぐる論文にも捏造(ねつぞう)疑惑が出ている。小保方さんに関しては、下村博文・文部科学大臣が「日本にとって誇り」とまで絶賛していた。環球時報(電子版)が伝えた。
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真面目かつ慎重であることで知られる日本人は文化や科学の面で、一歩一歩着実に向上を目指してきた。しかし近年、耐震偽装マンションやコピー商品などのニュースが増えている。上記の日本を代表するとされていたアーティストや科学者をめぐる事件は、世界でも大きな波紋を呼んだ。このような現象は決して偶発的なものではなく、近年右翼化する日本社会が自信を失い、「ヒーローの登場」を待ち望んでいることと関係がある。中国には「飢えては食を択ばず」ということわざがある。人々がヒーローを待ち望んでいる機運に乗じて、ヒーローが登場するのだ。このような危機的状況が、衰退期にある日本の社会で普遍的に見られる。この点、東アジア文化を共有する中国は警戒を保つと同時に、日本の轍を踏まないように注意しなければならない。
佐村河内氏には「絶対音感」があると聞いただけで、多くの人が感服し、正常な識別力を失い、それだけを理由に同氏の曲を買い求めていた。人を魅了する背景を持つ人物には、自然とメディアも注目するようになる。ドキュメンタリー番組の高い製作技術を誇るNHKでさえ、「魂の旋律−音を失った作曲家−」と題するスペシャル番組を放送した。しかし、嘘だらけだったことが明るみになると、曲自体も魅力を失ってしまった。日本人は「音楽」ではなく、「ヒーロー」を求めていたのだ。
学位は博士(早稲田大学)で、現在は独立行政法人理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・細胞リプログラミング研究ユニット・ユニットリーダーである小保方さんは今年1月、ネイチャー誌に「外からの刺激で体細胞を初期化することにより、全ての生体組織と胎盤組織に分化できる多能性を持った細胞(STAP細胞)を作製する方法を世界で初めて確立した」と発表した。人類はこれまでこのような万能細胞をずっと探し求めてきたものの、多くの科学者が「不可能」としてきた。そのため、小保方さんのユニットが本当にSTAP細胞の作製に成功したのであれば、その意義は想像をはるかに超えている。これらを背景に、ネイチャー誌に小保方さんの論文が掲載されると、日本のメディアはそれを一斉に報道し、政治家が「日本の誇り」と絶賛すると、メディアは「またしても日本人」、国民は「やっぱり日本人」と歓喜した。
しかし、歓喜もつかの間。同論文にはすぐに世界から疑問の声が投げかけられた。衝撃的だったのは、小保方さんの論文中でも最もポイントとなっていた実験手法に関する約900字、10行ほどの内容が、ドイツの研究者J.Guo氏らが2005年に発表した「マウス胎児性幹細胞のマルチカラー核型分析」の論文の一部とほぼ一致している点だ。
よく見ると、異なっている部分も「(EDTA)」を「EDTA」に変えるなど、表示方法が異なっているだけか、「For the FISH procedure」を「For FISH」にするなど重要でない部分を短縮させているだけだ。また、原文の「KCl」が「KC1」となる誤りも含まれているから滑稽だ。
J.Guo氏は名前からしておそらく華人だろう。08年以降、J.Guo氏は中国人の同僚らと数々の論文を発表してきた。今回、論文がコピーされたことをJ.Guo氏が知っているかは定かでない。中国で関連の報道はまだない。しかし、小保方さんらの研究の結論が正確であるかは別として、コピーは科学界で最もモラルに反する行為であるため、科学者である小保方さんは少なくともJ.Guo氏に謝罪すべきではないだろうか。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)
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