「ワクチン有効性90%以上」が世界経済にとって意味するものとは?―中国メディア

人民網日本語版    2020年11月22日(日) 15時20分

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世界経済が泥沼に陥っている今、ワクチンは世界経済回復の希望となるのだろうか?写真はドイツ。

米国のファイザー製薬が同社の新型コロナウイルスワクチンの有効率が90%以上だと発表したのに続き、米・モデルナ社もこのほど同社のワクチン研究開発が飛躍的進展を遂げたと発表した。世界経済が泥沼に陥っている今、ワクチンは世界経済回復の希望となるのだろうか?中国新聞社が伝えた。

「ワクチン有効性90%」が意味するものは?

科学界は、有効率が少なくとも75%に達する新型コロナワクチンの研究開発を目指している。また、米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長のこれまでの発言に従えば、「情勢が厳しいことを踏まえれば、50%以上のワクチン有効性でも受け入れられる」状況だ。ワクチン有効性90%というのは、実際には業界関係者のワクチン有効性に対する予想をはるかに上回っている。

しかし、90%というワクチン有効性が決して盤石ではないことに注意を向けなければならない。ファイザーの説明によると、現在同ワクチンの臨床試験はまだ終了しておらず、安全性と有効性に関するデータも収集している最中だ。研究が進むにしたがって、最終的なワクチンの有効性比率は変わるかもしれない。また、ワクチンに関する一部のカギとなる情報がまだ明らかにされておらず、この点からもワクチンの最終的な有効性に疑問符が付いている。

ミネソタ大学感染症研究政策センターのマイケル・オスターホルム所長が言う通り、さらに多くの情報がない状況下では、現時点でワクチンがどれだけの影響を及ぼすかを予測するのは時期尚早だ。

中国国際問題研究院米国研究所の蘇暁暉(スー・シャオフイ)副所長も、「ワクチンは感染症抑制のキーとなる要素だ。現時点でワクチン研究開発には重要な進展が見られるものの、最終的に必ず成功するかどうかは誰も保証できない」と指摘している。

ワクチンは世界経済回復の「良薬」なのか?

ワクチンはまだ最終的に研究開発されていないが、世界の株式市場は一足先に「強心剤」を打ち、相場が高騰した。

しかし世界の株式市場が高揚感に浸っていた時、欧州の多くの主要エコノミーと米国などでは深刻な感染症第2波に襲われていた。ファイザーのワクチンの情報が伝えられた翌日には、米国と欧州の株式市場の高騰はもう鳴りを潜めた。

中国現代国際関係研究院研究員の陳鳳英(チェン・フォンイン)氏は取材に対し、「感染症が世界経済にもたらした衝撃は巨大だ。経済の回復はそう簡単なことではなく、一定のプロセスが必要だ」と述べ、経済回復は多方面にわたるため、回復には一定の「遅延性」があると指摘した。

ワクチンの大規模接種・普及には依然としてしばらく時間が必要

ワクチンが急速かつ大規模に普及するかどうかは、世界経済が「免疫」を得られるかどうかに関わってくる。

蘇氏は、「ワクチン研究開発の進展という情報が経済に与えた刺激は短期的なものにすぎず、経済がそれによって長期的に発展することを意味していない。最終的にワクチンの生産が開始され、世界の大規模な接種が行われて初めて、本当の意味で世界経済を回復させることができる」と指摘する。

また蘇氏は、「ワクチンの研究開発が成功したとしても、一部の発展途上国にワクチンを使えるだけの資金力がないという問題に関係してくる。豊かな国と比べ、経済が発達していない一部の発展途上国は、ワクチン普及の面で一定程度の遅れが出るかもしれない」とした。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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