<コラム・莫邦富の情報潮干狩り>中国の試乗ブームに見る無人運転タクシー時代の到来

莫邦富    2021年1月15日(金) 6時0分

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新しい技術に飛びつきやすい中国も車両の無人運転時代を迎える足取りを速めている。写真は北京。

昨年の秋、埼玉県児玉郡上里町にあるアグリビジネス関連の会社を訪問した。加工食品事業プロジェクトに取り組む同社の農機具庫には、無人運転できるトラクターが止まっている。しかし、畑まで移動するときは相変わらず運転手による運転だ。「技術的には行きたい畑の位置関連の情報を入力すれば、無人運転で目的地まで移動できるが、道路交通法などの法整備はまだできていないから、まだ有人運転だ」と見学を案内してくれた関係者が教えてくれた。

法整備などの課題はまだ残っていながら、日本でも無人運転時代がすでにすぐそこまで来ていることを実感した瞬間だった。

新しい技術に飛びつきやすい中国も車両の無人運転時代を迎える足取りを速めている。

■北京に「ロボタクシー」投入

昨年10月10日、乗用車リンカーンMKZを改造してできた40台の無人運転タクシー「ロボタクシー(Robotaxi)」が試乗運転のために北京に投入された。青と白の車体の上に、レーダーやカメラ、GPSなどの感知モジュールからなるちょんまげのような装置が取り付けられている。北京亦荘と海淀を中心に、2カ所のテストエリアが設けられ、無料の試乗運転が開始した。

利用者は携帯電話にある「百度地図」やApollo GOアプリを通じてワンタッチでロボタクシーを呼び、北京経済技術開発区、海淀区、順義区など数十カ所のサイトで直接予約して無料の試乗を楽しめる。現段階では、試乗に開放されたテストエリアの全長は約700キロである。

統計データによると、10月12日の予約件数は2608件で、ある乗降場では1日に最大600件の利用を受けたという。

メディアの報道を総合すると、現段階では、ロボタクシーの運転席には依然として安全担当者が配置されている。ただ、正常な走行期間中は安全担当者はハンドルに触れない。路面で事故が発生したなどの場合には、安全担当者がタクシーを手動で運転する。試乗者の話によると、路面が工事や渋滞、停車指令に遭遇した場合、ロボタクシーはまだ臨機応変に対応することができず、人間の運転に任せる必要がある。悪天候(大雨、ひょうなど)の場合には、安全を期するため、ロボタクシーはサービス提供を中止することになっている。乗客の乗降場所も指定されており、移動の利便性の向上が次の課題の一つとなっている。

利用者に対する年齢制限も設けられている。現段階では、北京の無人運転タクシーは18歳から60歳までの乗客2人しか乗車できないこととなっている。他の都市では65歳や70歳まで緩和されている。

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