フランスパリ公立病院連合の病院2軒の集中治療部門の責任者であるイブ・コーエン氏によると、同氏が所属する病院は19年12月から20年1月にかけて肺炎患者24人から採取された検体の検査をやり直した。その結果、19年27日に入院した男性の新型コロナウイルス検査で陽性反応が出た。この男性は感染前の一定期間内にいかなる旅行や外出をしていなかったという。コーエン氏が所属する研究チームは昨年、学術誌「International Journal of Antimicrobial Agents」にオンライン掲載した関連論文の中で、新型コロナウイルスがフランスで正式に報告される前、19年12月下旬の段階ですでにフランスで感染拡大していたことが関連証拠で明らかになったという。フランス政府が初の感染者を報告したのは昨年1月24日で、これは欧州で初めて報告された新型コロナ患者でもあった。
イタリアのミラノ大学が中心となる国際研究チームは昨年12月、英学術誌「British journal of dermatology」で、同国の1人の若い女性皮膚病患者の19年11月10日の生検検体から、新型コロナウイルスのゲノム配列を発見したと報告した。この結果によりイタリアの「ゼロ号患者」が発見された時期が19年11月に遡ることになった。イタリアが初の感染者を報告したのは昨年1月30日で、現地感染者を報告したのは昨年2月21日だった。
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