進まぬ日本社会の女性進出、優秀な女性は外資系へ流出―中国メディア

Record China    2014年4月22日(火) 18時37分

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21日、日本政府は配偶者特別控除の廃止による既婚女性の職場進出を検討している。安倍首相は女性の職場進出を経済発展の秘密兵器と意識している。資料写真。

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2014年4月21日、日本政府は配偶者特別控除の廃止による既婚女性の職場進出を検討している。安倍首相は女性の職場進出を経済発展の秘密兵器と意識している。青年参考が伝えた。

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◆日本企業の女性差別

東京大学を卒業したばかりの川端さん(女性)は、日本の最高レベルの人材といえる。川端さんの母は米国人、父は日本人であるため、日本企業の社員に不足している英語力、グローバルな視野を持つ。求職の際に日本企業には目もくれず、国際的なコンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した。

川端さんは英国の経済週刊誌エコノミストに対して、外資系企業を選択したのは日本企業の文化的雰囲気に合わないからだと答えた。日本企業に勤務する若者は長時間の勤務に耐えなければならず、一日の勤務を終了してからも同僚と酒を飲まなければならない。日本の多くの若者は、このような活動により上司と絆を結び、出世しようとする。日本では以前、女性が公の場で飲酒することは奨励されなかった。川端さんは、「女性社員も今は、上司に覚えてもらうため、チューハイを飲む」と語った。しかし彼女は、これを「進歩」とはとらえていない。

米誌タイムの記者であるハンナ氏は、日本から米国に帰国してから書いた記事の中で、「日本では女性差別が普遍的だ。商談の時に会うのは男性で、コーヒーやお茶菓子を出してくれるのは女性だ。彼女は一流大学を卒業し、高いビジネス分析能力を持っているのに」とため息を漏らした。

これは日本のビジネス界だけではなく、政界にも見られる現象だ。議会に占める女性議員の比率に関する調査の結果、日本は189カ国中123位だった。

日本企業は男性・女性社員を同時に募集するが、男性は管理職候補者になり、女性は一般職員として育成される。マッキンゼー・アンド・カンパニー東京オフィスのジョージ氏はエコノミストに対して、「外資系企業は日本企業の性差別を利用し、多くの優秀な女性を雇用している」と語った。

川端さんもその一人だ。日本企業の女性差別からは逃れたが、無視できない障害が依然として存在している。結婚によって仕事の理想から遠ざかることを懸念している。就職後に初めて恋人の父親に会い、数年後に仕事を続けるかを再検討すると約束した。

◆仕事と子供、二者択一を迫られる

川端さんの約束は、日本のエコノミストをいま最も悩ませている問題だ。日本政府のデータによると、既婚女性のうち仕事をしている人はわずか63%で、先進国のうち最低水準となった。1人目を出産後、70%の女性は専業主婦になる。米国のこの数値は30%だ。

日本の多くの人は軽率に辞職せず、定年退職まで一社で勤め続ける。管理職を占める女性は非常に少ない。マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、日本企業の管理層のうち、女性が占める比率は2011年の時点でわずか4.5%だった。女性は出産後に職場復帰しても、自らに適した仕事を見つけられない。多くの企業の中高級のポストには空きがないからだ。ジャパン・タイムズは、「職場復帰する女性の多くは、給与が少なく、福利厚生も社会保障もないアルバイトやパートを選択せざるを得ない」と伝えた。日本の2012年のアルバイター・パートタイマーのうち、77%が女性であった。

◆女性の職場進出、経済発展の秘密兵器に?

労働力不足は日本経済の発展を制限している。安倍首相は女性の職場進出が経済発展を促す秘密兵器であることを意識した。

女性の就職率が男性と同じ水準に達すれば、日本の労働力は800万人増加する。多くの女性が給与を手にし、内需をけん引する。

小泉政権は2005年に、男女平等の促進という同じ主張をしていた。しかし保守的な自民党は、女性に家を守らせることは経済にとって非常に有益であると考えていた。女性が多くの子供を産み、労働力不足を解消するというのだ。

この推測はひとりよがりに過ぎなかった。女性の就職率は上昇せず、出生率も改善されなかった。日本の2012年の合計特殊出生率は1.41人となった。日本の労働人口は、2050年に40%減になる見通しだ。

ヘッドハンティング会社の責任者で、女性管理者を専門的に発掘する福井氏は、「女性の雇用増が唯一の活路とみられる」と述べた。

米ウェスタン・ケンタッキー大学の社会学部准教授、根本宮美子氏はUSAトゥデイに対して、「安倍首相は本気ではなく、日本の世界的な評判のために発言した」と語った。

福井氏は「局面の打破にまったく希望がないわけではない。2年ほど前に、当社は中小企業から女性管理者の仲介を依頼されるようになった。状況は好転しているが、非常に緩慢だ」と指摘した。

◆配偶者特別控除の廃止を検討

日本政府は2014年4月7日、配偶者特別控除の廃止の検討を始めた。

ゴールドマン・サックスのアナリストの松井氏はエコノミストに対して、「女性の雇用促進の最も簡単な方法は税制改革だ。現行の政策によると、世帯主(一般的には男性)の配偶者の年間所得が103万円以下の場合、38万円の特別控除が認められる。妻の年間収入が130万円を下回る場合、年金を支払う必要はない」と説明した。

三井住友アセットマネジメントのチーフアナリストの宅森昭吉氏はブルームバーグに対して、「税制の改正は有益だ。妻が家を守る家庭が減税の損失を被ることで、収入源を確保するため女性が就職するようになる」と分析した。別の専門家も、「既婚女性の職場進出で、日用品、衣料品、外食、交際などの費用が増加し、アベノミクスの良性循環を形成する」と語った。

安倍首相は2013年9月、国連安全保障理事会で演説した際に、日本に存在する性の格差を認めた。タイム誌は、「安倍首相の発言は『女性よ、前進せよ』というシグナルを発した。女性にとって快適な業務環境を創造し、女性の雇用機会を拡大することはもはや日本の一つの選択肢ではなく、非常に差し迫った課題となっている」と報じた。日本政府は今、ついに行動を開始した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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