靖国神社の「狛犬」、実は中国から略奪したものだった!?

Record China    2021年2月23日(火) 12時50分

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東京九段の靖国神社の大鳥居の前に設置された「狛犬」は、旧日本軍が日清戦争期に中国から略奪した「石獅子」だとして、中国の団体が同神社に返還を求めている。

東京九段の靖国神社の大鳥居の前に設置された「狛犬」は、旧日本軍が日清戦争期に中国から略奪した「石獅子」だとして、中国の団体が同神社に返還を求めている。

この運動を主導しているのは、中国民間対日賠償請求連合会の文化財追討部長で学者の王錦思氏。現在までに中国の10の民間団体から支持を受け、2000人余りの個人の署名を集めているという。

王氏は2014年12月に来日し、宮内庁を訪れて「日本が106年前に略奪した中国の国宝級文化財である『唐鴻臚井刻石』の中国への返還を求める書簡」を手渡した。この時に、靖国神社にも中国から略奪された文化財があることを知り、数年間の調査を経て、同神社の石獅子が中国遼寧省海城市の三学寺から略奪されたものだと「確認した」という。

三学寺は唐代に建立された悠久の歴史を持つ寺。王氏は「1876年に李永成が芸術的価値と観賞価値の極めて高い石獅子を三学寺に献上した」と説明。「(靖国神社の)雄獅子の台座には『大清光緒二年閏五月初六日敬立』と、雌獅子の台座には『直隷保定府深州城東北得朝村弟子・李永成寄贈』と刻まれており、中国の文化財であることをはっきりと示している」としている。

また、中国から略奪された経緯について、「1894年に勃発した日清戦争において、日本軍は海城市を占領し、三学寺は日本軍の野戦病院になった。戦争後、野戦病院を管理していた石黒忠悳軍医総監が時の司令官・山県有朋を訪問した際に、三学寺に件の石獅子があることを報告し、山県が『日本に運び天皇陛下にご覧に入れよ』との指示を下した。石黒、奥保鞏中将らの関与によって1896年に3体の石獅子が東京に運ばれ、明治天皇の命によって1対が靖国神社に置かれることとなった」と説明した。

そして、「このことは、靖国神社が発行した『靖国神社百年史資料編』にも明確に記されている。また、『新撰 東京名所図会』にはこの石獅子を『遼東より捕獲し来りたるものなり』とも書かれている」とし、「中国の考証・調査にせよ、日本の考証・調査にせよ、現在、靖国神社に置かれているこの石獅子は中国から略奪したものだということを示しており、速やかに中国に返還されねばならない」と訴えた。

王氏は、今月7日に靖国神社に宛てて石獅子の返還を求める手紙を送付し、12日には靖国神社に届いたことを確認したとしている。手紙には、上記の経緯に加えて「石獅子は中華文化で威厳、吉祥、正義、神聖のシンボルであり、我が国の文化の宝が中国を侵略した戦犯をまつる靖国神社に置かれることは到底許されるものではない。石獅子に魂があるとすれば、今現在置かれている場所、そして100年余りに渡る屈辱に心を痛めているに違いない」などとも書かれ、早期の返還を強く求めている。

王氏はさらに、「靖国神社には、他国の文化財を返還した前例がある」とし、2005年に靖国神社の境内に置かれていた「北関大捷碑」が韓国に引渡され、その後、かつて設置されていた北朝鮮に移送されたことに言及。「中国の官民が協力し、世界の華人が力を発揮すれば、目標は達成できると信じている」と語った。(編集/北田

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