人民網日本語版 2021年3月7日(日) 5時10分
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中国人力資源・社会保障部の游鈞副部長は、「当部は現在、関連当局と定年退職の年齢を引き上げるための具体改革案を検討している」と明らかにした。写真は北京の出勤風景。
中国国務院新聞弁公室が2月26日に開いた記者会見で、人力資源・社会保障部の游鈞(ヨウ・ジュン)副部長は、「当部は現在、関連当局と定年退職の年齢を引き上げるための具体改革案を検討している」と明らかにした。北京日報が伝えた。
中央人材工作協調グループの特別招聘専門家・呉江(ウー・ジアン)氏は取材に対して、「定年退職の年齢が低すぎると、ヒューマンリソースの浪費につながる。段階的にその年齢を引き上げることで、就業と人口高齢化の間にあるアンバランスな現状を緩和させることができる。デジタル経済やスマート製造が多くの雇用を創出しており、定年退職の年齢を引き上げても、若者の就職には影響しない」との見方を示した。
■経験ある技術者のつなぎ留めが必須
人社部の張紀南(ジャン・ジーナン)部長は同記者会見で、「現在、就業動向の構造的アンバランスが際立っており、就職が難しいのに、人材不足でもある。特に、技術・技能を持つ人材の求人倍率が2倍を超えている。つまり、技術者1人につき、少なくとも2つのポストがあるということ」と説明した。
呉氏も、「これはこの先15年の主な問題。人材不足が一層深刻になり、経験ある技術者不足が進むだろう。そのため、経験ある人材をつなぎ留めなければならない。定年退職の年齢が低すぎると、人材の浪費につながる。就業問題は、その年齢引き上げにより、緩和させなければならない現実的な2大問題の1つだ」とする。
そして、「中国は現在、工業化から脱工業化への過渡期にある。脱工業化社会の経済形態は主にデジタル経済。それと、スマート製造に必要なのは人の知力であって、体力ではない。そのため、定年退職の年齢を引き上げても、労働者にとっては何の問題にもならない」との見方を示す。
国連と世界保健機関(WHO)の基準では、65歳以上が高齢者。現在、世界の主要エコノミーの定年退職年齢はほとんど65歳以上になっている。
■ハイテクに関わるポストの対象は若者
呉氏は、「定年退職の年齢を引き上げても、退職の自由が奪われるわけではない。融通性ある就業状況が増えており、退職にも融通性を持たせるべきだ」と強調する。
定年退職の年齢を引き上げることで、若者の就職に影響が出ることはないのかというのが、多くの人が関心を寄せる問題で、呉氏は、「答えはNO。今の若者の就職の主なルートは何かを考えなければならない。ハイテクの発展が就職に大きな影響を与えることは明らかだ。多くのポストが淘汰されたが、たくさんの新たなポストが創出されている。工業革命において、自動車が馬車に取って代わるようになったのと同じだ。デジタル経済とスマート製造のポストは、ハイテクやインターネット、ビッグデータなどに依存しており、どれも若者のためのポスト。ポテンシャルは非常に大きい」と説明する。
そして、「現在、製造業の多くのポストが消失しているが、先進的製造業や新興のサービス業が登場している。例えば、北京のサービス業がGDPに占める割合は80%を超えている。ほとんどの新興のサービス業のポストも若者が就いている。今後就職するには、高い技術や知識、知恵が求められ、懸念材料は何もない」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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