中国の軟体ロボット、水深1万メートルでの駆動を実現―中国メディア

人民網日本語版    2021年3月9日(火) 8時50分

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浙江大学と之江実験室の科学研究チームは3年間の協力により、水深1万メートルの深海で制御を受ける生体模倣深海軟体ロボットを開発した。

浙江大学と之江実験室の科学研究チームは3年間の協力により、水深1万メートルの深海で制御を受ける生体模倣深海軟体ロボットを開発した。この成果は4日、ネイチャー誌に掲載された。新華社が伝えた。

論文の連絡著者で、浙江大学航空宇宙学院学際力学センターの李鉄風(リー・ティエフォン)教授は「従来のアーマー型耐高圧深海潜水設備と比べると、生体模倣深海軟体ロボットは軽く、構造がシンプルで、深海探査の難易度とコストを大幅に下げることができる。また、モーターによる駆動を必要とせず、騒音がなく、環境親和性が高い」と述べた。

李氏によると、この研究のインスピレーションはマリアナ海溝の水深6000−1万1000メートルの超高圧深海で生息するシンカイクサウオの「生命の秘密」を「機械の力」に変える構想から得られた。生物学の研究により、シンカイクサウオの骨格がゼラチン状の柔らかい体の中に破砕状に分布しており、100メガパスカル近くの圧力に耐えられることが分かった。

李氏のチームは2018年5月に之江実験室ロボット研究センターと関連研究を開始した。シンカイクサウオの頭の骨が軟組織において分散しながら融合する特徴に基づき、プロジェクトチームは電子部品や軟基体の構造、材料の力学的設計を行い、高圧環境におけるロボット体内の応力状態を最適化した。

プロジェクトチームは最終的に、魚のような形をした生体模倣深海軟体ロボットを開発した。長さは22センチ、翼幅は28センチ。このロボットは高圧・低温環境でも良好な電気駆動性能を持つスマート軟材料で作られる。制御回路や電池などのハードがゼラチン状の柔らかい機体の中に融合されており、耐圧ケースを必要とせず、水深1万メートル級の深海静水圧に耐えられる。

生体模倣深海軟体ロボットは19年12月にマリアナ海溝の海底に到達した。海洋試験映像によると、同ロボットはマリアナ海溝の水深1万900メートルで安定的に翼を使い駆動した。このロボットは20年8月27日に、南中国海の水深3224メートルで自律移動を実現した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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