ロシア駐日大使、日米豪印“クワッド”首脳会合を批判=アジアの諸問題は中露も含め率直に議論を

Record China    2021年3月12日(金) 5時20分

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ガルージン駐日ロシア大使は日本記者クラブで会見し、日米豪印4カ国の会合が開催されることについて「ロシア、中国も含め地域の問題について率直に議論した方がいい」と批判した。

2021年3月10日、ガルージン駐日ロシア大使は日本記者クラブで会見し、日本、アメリカ、オーストラリア、インド4カ国の初めての首脳会合が、12日にオンラインで行われることについて、「ロシアだけでなく多くの国が注視している。特定の国に対し、他の国々が何かやろうとするより、たとえば東アジアサミット(首脳会議)のように、ロシア、中国、インド、オーストラリア、米国などが安全保障も含め地域の問題について率直に議論した方がいい」と批判した。その上で、「安全保障というデリケート問題を特定の限定された国だけでやるより、多くの関係国で協議する方が地域の信頼につながる」と語った。

日米豪印4カ国によるクワッド首脳会合はオンラインで行われ、米国のサキ報道官は、「新型コロナウイルス、経済協力、気候変動まで、世界が直面する多岐にわたる議題が話し合われる」と発表している。中国の影響力拡大を念頭に、インド太平洋地域の連携強化が話し合われるとも報じられているが、ガルージン大使は「(報道は)メディアの考えであり確認されたものではない」と述べた。

また同大使は、北方領土でのロシア軍事演習について「米国がロシアを安全保障上の脅威と位置付けている状況下で領内の安全を守るのは当然だ」と述べた上で、「日本に向けたものではない」と指摘。在日米軍を意識した「防衛能力の維持」が狙いであると説明した。

さらに米国について「前(トランプ)政権も新(バイデン)政権もロシアを正式な安全保障に関する文書で明らかに脅威と位置付けており、非友好的な政策が行われている」と言明。「(ロシアは)自国の防衛能力を適切なレベルで維持し、近代化しなければならない」と強調した。大使はまた、日ロ関係に関し「戦争が終わったのは75年以上も前である」と指摘。戦争状態の終結を謳うだけの条約ではなく、「平和善隣友好パートナーシップ条約の形を取るべきだ」との考えを明らかにした。北方領土交渉については、条約締結後に「互いに関心を持つ他の問題の議論が可能となる」と述べた。 

このほかガルージン大使は、新型コロナウイルスのロシア産ワクチン「スプートニクV」の輸出と技術移転、生産を日本政府に提案したとも明らかにした。スプートニクVは46カ国で使用が承認され、英医学誌「ランセット」などで有効性と安全性が評価されていると述べた。(八牧浩行

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