韓流文化の普及からサイバー暴力助長まで、韓国のファン文化は行き過ぎた?―中国紙

Record China    2021年3月21日(日) 8時10分

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中国紙・環球時報は19日、「韓流文化の普及からサイバー暴力助長まで、韓国のファン文化は行き過ぎた?」と題する記事を掲載した。資料写真。

中国紙・環球時報は19日、「韓流文化の普及からサイバー暴力助長まで、韓国のファン文化は行き過ぎた?」と題する記事を掲載した。以下はその概要。

「飯圏」という中国のネット用語は「ファングループ」を指す。こうしたファンの自発的組織は韓流の台頭を動かしたが、「追っかけ文化」の暗さを露呈することもある。

ファングループ文化の形成初期、ファンらはコンサートのチケットを買うために銀行の前に長い列を作った。当時の代表的な事件がアイドルグループH.O.Tに関する教育当局の対応だ。アルバム発売日になると当局は各学校に対して「早退禁止」の通知を出した。

ファングループ文化の初期に、後に広く応用される「追っかけ」のモデルが一応の創造を見せた。ファンは「推し」のシンボルカラーとなっている色の風船を手に、応援に駆け付ける。H.O.Tなどの後、東方神起がデビューし、さらにBIGBANG少女時代などのグループを迎えたことは韓流アイドルが第2世代の全盛期に入ったことを示している。

インターネットの大規模な普及と新たな追っかけ時代が一緒に到来したことで、ファングループ文化と商業化のつながりはより緊密になった。当時、ネットで音楽を聞くことは普及していたがアルバムを購入しなければ数量限定のステッカーが手に入らないなどの理由からファンは依然、アルバムを大量に買い求めた。アイドル文化が日増しに厳しくなる業界を救ったと言えるだろう。

長年の発展を経て、韓流ファンは強大な組織力と効率的な戦闘力を持つファングループ運営メカニズムを形成し、韓流文化の世界に向けた輸出を後押しするようになった。このメカニズムの中でグループは層化、組織化された。ファングループの上層部は組織について一定の意思決定権や経済的権利を持ち、さまざまな応援活動を通してファンをまとめ、アイドルの評判とキャラクター設定を維持。アイドル側のチームも上層部と連絡を取って自分たちのために活用している。

BTSのグローバル化の成功はまさに、ファンが韓国のメカニズムの一部を韓流の世界的な広がりの中で再現したおかげだ。組織化された運営を通じてアイドルの新作を宣伝し続け、映像を拡散して視聴数を蓄積し、統計データを監視・報告してビッグデータの分析を行った。

ファングループ文化の広がりに伴い、韓国世論には対照的な2種類の意見が現れた。中学3年のある生徒は「好きな歌手のアルバムを買って、ネットで音楽を聞く。他の趣味より楽しい。度が過ぎないファン活動なら学業にも役立つ」と話す。また、16歳の生徒からは「プレッシャーを和らげ、社会性を育てることもできる」との声が聞かれた。

一方、42歳の母親は「芸能人に憧れる気持ちは理解できるが、多くの若者がファン活動に参加するために学校生活をおろそかにしているのが現実」と訴える。ある男性は「多くの若者がファングループの活動に加わっているが適切ではないと思う。いじめやサイバー暴力といった社会問題が容易に起こってしまう」と指摘した。

韓国メディアによると、最近ではファンの過剰な動きのもとでフェイクニュースが生まれる事態にもなっている。韓国政府が新型コロナ対策でソーシャルディスタンスを強く求めた際、一部芸能人が繁華街の遊興施設を訪れて議論を呼んだ。当時、ファングループとアンチ派の間で舌戦が繰り広げられ、さらには他の芸能人の偽情報を流して覆い隠そうとしたネットユーザーも現れた。ファンによる過度な介入が問題の深刻さを拡大させた。

健全なファングループ文化をいかに構築するかについて、韓国延世大学の教授は「ファンが『好き』と『執着』の区別をつけること」「ファングループの運営にあたって『いかなる暴力も許されない』と明確に規定すること」「ファングループがあるスターを愛するだけでなく、社会貢献という方向に向かって広がること」の三つをアドバイスしている。(翻訳・編集/野谷

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