中国で「その手は食わない」の言い方が突然に流行し始めた。米中ハイレベル戦略対話で、中国側責任者が米国側に切った「たんか」が愛国感情を刺激した。大手ネット通販サイトの陶宝（タオバオ）では、同文句をプリントしたTシャツが多種類売り出された。中国情報サイトの文学城が紹介した。

米アンカレッジで現地時間3月18日から19日にかけて開催された、米バイデン政権が発足して初の米中高官が直接に対面しての会合となった米中ハイレベル戦略対話では、米側が冒頭から中国の内外政策を厳しく批判した。同対話に出席した出席者は外交政策のトップである楊潔チ（ヤン・ジエチー）中国共産党中央政治局委員兼中央外事委員会弁公室主任は、米側に断固たる態度で反論したという。

楊氏は、米国の個別の主張に反論した上で、「米国に、上から見下す態度で中国と話す資格はない。中国人はその手は食わない」と付け加えた。「その手は食わない」の原語は「不喫這一套」で直訳すれば「そのやり方は食べない」で、日本語とほぼ同じニュアンスで、外交の場で「威勢の良いたんか」を切ったともいえる。

中国のネット民は、激論が戦わされた米中の対話が、「きな臭い雰囲気だった」と見なしており、中国側の強硬発言に愛国感情が刺激され、「中国人はその手は食わない」が、中国高官による名言と受け止められている。同対話については「最大の合意は、双方が昼食と夕食を共にしないと共同で宣言したことだった」と、面白がって投稿する人もいたという。

たちまちにしてネットで販売が始まったTシャツの価格は30元から69元（約500～1150円）。中国語以外にも、「STOP INTERFERING IN CHINA'S INTERNAL AFFAIRS（中国内政への干渉をやめよ）などの英文が書かれている商品もある。（翻訳・編集/如月隼人）