東京五輪の海外観客断念、「日韓・南北対話の契機に期待した韓国大統領府が困惑」と主要紙

Record China    2021年3月28日(日) 7時50分

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7月の東京五輪で海外観客の受け入れが見送られ、韓国大統領府が困惑していると主要紙が報じた。東京五輪を日韓関係の改善や南北、米朝対話の糸口を見いだす契機にする計画だったためだ。写真は五輪マーク。

日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)が7月の東京五輪で海外観客の受け入れを断念し、韓国大統領府が困惑していると主要紙が報じた。「完全な形」で開催される東京五輪を日韓関係の改善はもとより、南北および米朝対話の糸口を見いだす契機にする計画だったためだ。

韓国の文在寅大統領は1日の三・一節(日本からの独立運動記念日)の記念演説で、東京五輪に言及。「今年予定されている競技は韓日、南北、日朝、米朝の対話の機会として役立つ可能性がある」と訴え、「韓国は東京五輪の成功的な開催のために協力する」と呼び掛けた。「平和の祭典」が盛り上がる中、活発な首脳外交を展開しようとの狙いだったとみられる。

東亜日報によると、大統領府関係者は21日、「新型コロナウイルスの状況が厳しいため、東京五輪の海外観客の断念は予想された結果」としながらも、「今回の決定とは別に、韓(朝鮮)半島の平和に向けた努力は続けていく」とした。その一方で、南北選手団の合同入場、南北単一チームの構成については「まだ決まったことは何もない」と付け加えた。

実際に政府・与党は東京五輪を朝鮮半島の平和の契機するための努力を続けてきた。徐薫・大統領府国家安保室長は昨年10月、米国でオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当、当時)に会って東京五輪の重要性を強調。韓日議員連盟会長の与党「共に民主党」の金振杓議員は昨年11月、菅義偉首相に会った後、「日本が東京五輪の期間に北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長を招待する意向を明らかにした」と述べた。

しかし、海外観客の受け入れ断念などさまざまな制約の中で東京五輪が開催される場合、各国の高官同士の接触も難しくなる。与党関係者は「東京五輪の成功に向けて(日本は)米国や北朝鮮の特使など少数の高官は招待する可能性がある」とし、「北朝鮮もスポーツを通じて自然に米国と接触できるので、前向きに決定して選手団の派遣も考慮するだろう」と期待をつないだ。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、新型コロナ感染対策の一環として、海外観客に続いて大会運営に不可欠な一部を除き、海外在住のボランティアを受け入れないことを決めた。五輪開催に合わせて日本を訪れる海外の要人や随行の数も制限される。日本政府は元首や首脳級は随行を含めて12人まで、閣僚級は5人までとする内容のガイドラインを定め、各国に要請している。(編集/日向)

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