Record China 2021年4月1日(木) 9時20分
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過去に「汚染粉ミルク」や「偽粉ミルク」事件があった中国で、再び粉ミルクに関する問題が起きていることが分かった。
「中国之声」が30日付記事で報じたのは青島金大洋乳業有限公司の製品をめぐる問題で、記事は「青島金大洋乳業有限公司などの企業は規定に違反し、生産した粉末飲料を一定の機能性を備えた『調合粉ミルク』という形で販売、乳幼児のアレルギーなどの問題を解決できると公言していることが調査で分かった」と説明。その上で、同社の商品を飲んだ3歳半の女児は歩いたり、話をしたりすることができず、「知力障害2級」と診断されたことを伝えた。
記事によると、女児は生後すぐに肺炎を発症し、退院時に医師から特殊調合された粉ミルクを飲むよう指示された。この「特医粉ミルク」と呼ばれる粉ミルクは少数の大手メーカーだけが生産資格を持つもので、父親が病院の周辺にある店の勧めで購入したのが同社の商品だった。1年余り飲んだ後、体や知力の発育の後れが現れ、父親は昨年5月ごろになって「娘が飲んでいるのは粉末飲料の一種で、粉ミルクではなかった」と気付いたそうだ。
記事は「父親から送られた写真から商品名に『粉ミルク』の文字が含まれていないことが分かるが『発育の後れや術前術後の人の栄養サポートに適した粉末飲料』とも書かれている」とし、父親が受け取った店のレシートには「粉ミルク」と記してあることを指摘。父親は同社と店を相手取って訴訟を起こしており、代理人を務める弁護士は「金大洋公司は『特医粉ミルク』を生産する資格を持っておらず、代理店と一緒に虚偽の宣伝をして消費者をミスリードした疑いがあるため、商品価格の10倍の賠償の他、女児に対する損害についても賠償を求めている」と説明したという。
一方、食品生産などに詳しい専門家は「生産資格のない一部メーカーは『特医粉ミルク』の包装をまねて消費者をミスリードしている。製品に含まれている栄養成分が『特医粉ミルク』と同じかどうかにかかわらず規定違反だ」と紹介し、「一部のメーカーは資格を得られないのに生産する製品は目標に沿ってデザインする。明示、暗示に関わらず『特医粉ミルク』をうたえばいずれも規定違反。政府が処罰するのも消費者が返品・賠償を求めるのも正しい措置」との考えを表明。それと同時に、「金大洋公司が生産した『粉末飲料』の長期摂取が障害の原因となったことを科学的、法的角度から証明するとなればさらに多くの科学的論証が必要」と指摘している。(翻訳・編集/野谷)
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