人民網日本語版 2021年3月31日(水) 19時50分
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中国・世界保健機関新型コロナウイルス発生源共同研究報告書が30日、ジュネーブで正式に発表された。報告書は、新型コロナウイルスが実験室から人に感染したという説について「可能性が極めて低い」としている。
中国・世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス発生源共同研究報告書が30日、ジュネーブで正式に発表された。報告書は、新型コロナウイルスが実験室から人に感染したという説について「可能性が極めて低い」とし、感染源の動物宿主から直接人に感染した説について「可能性はある~高い」とし、中間宿主を通じ人に感染した説について「可能性が高い~非常に高い」とした。新華社が伝えた。
中国側の専門家17人と海外専門家17人でつくる共同専門家チームは今年1月14日から2月10日にかけて、疫学、分子解析、動物と環境の3つの作業チームに分かれ、武漢市で28日間にわたる新型コロナウイルス世界感染源研究(中国版)を行い、これを踏まえた上で研究報告書を作成した。
既存の科学的な証拠と発見に基づき、共同専門家チームは新型コロナウイルスの人への4種の感染経路の可能性について定性的リスク評価を行った。「可能性が極めて低い」「可能性が低い」「可能性がある」「可能性が高い」「可能性が非常に高い」の5段階に分け評価した。
■最初の感染源はいまだ謎
研究によると、多くの早期感染者は武漢華南海鮮市場と関連しているが、その他の市場と関連している感染者も多く、また一部の早期感染者はどの市場とも関連性がなかった。ウイルスは2019年12月により広い範囲のコミュニティー内で感染していたことが華南海鮮市場と関連性のない感染者を出した可能性がある。これらの証拠は、華南海鮮市場が最初の感染源ではなかった可能性を示している。
■その他の国で潜在的に早期感染も
分子解析作業チームは動物から集めたウイルスのゲノムデータを分析した。新型コロナウイルスと最も似ているコロナウイルスがコウモリとセンザンコウの体内にあるとする証拠があり、これはこの2種の哺乳類が新型コロナウイルスの宿主である可能性を示しているものの、ウイルスの類似性は新型コロナウイルスの直接的な祖先となる程度ではない。またミンクや猫などの動物が新型コロナウイルスに感染しやすいが、これは他にも潜在的な宿主となった動物がいる可能性を示している。
作業チームはさらに異なる国が発表した研究データを評価した。これらの研究によると、新型コロナウイルスの感染は通常、現地で最初の感染者が発見される数週間前に生じている。他国で疑陽性の検体が見つかった時期は武漢で初の感染者が確認された時期よりも早かったことは、他国で感染が発見されていなかった可能性を意味する。報告書は、これらの潜在的な早期感染に関する調査が「重要」と判断した。
■コールドチェーンとの関連性は未だ不明瞭
新型コロナウイルスが冷凍食品、包装、コールドチェーン製品に存在することが確認されている。中国で最近生じた一部の感染はコールドチェーンと関連しており、一部の国が中国に輸出した荷物と製品から新型コロナウイルスが発見されている。これはウイルスがコールドチェーンを通じ長距離移動することを示している。華南海鮮市場のサプライチェーンには20カ国のコールドチェーン製品と動物製品が含まれ、うち一部の国の2019年末より前の検体の新型コロナウイルス検査で陽性反応が出ている。さらに一部の国には、新型コロナウイルスの近親ウイルスが存在する。市場で販売されている一部の動物が新型コロナウイルスに感染しやすいことを示す証拠もあるが、今回の研究において市場で採取された動物製品からは新型コロナウイルスの陽性反応が出なかった。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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